2010 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの地域紛争にみられる新兆候に関する研究:ナイジェリアの事例を中心に
Project/Area Number |
21401012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
島田 周平 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90170943)
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Keywords | ナイジェリア / 地域紛争 / 脆弱性 / 地域問題 / アフリカ / 紛争処理 |
Research Abstract |
本研究では、地域紛争のローカル性を詳細に解析する一方で、外的要因との関わりにも注意を払い、1990年代以降顕著になってきているナイジェリアにおける地域紛争のローカル性とグローバル性の関係解明を目指している。 今年度は8月に史料調査と研究者との意見交換、研究発表のためナイジェリアの国際問題研究所に出かけたが、あいにく全国的な国立研究所のストライキに遭遇し、期待した成果を得ることができなかった。しかし、その期間を利用して出かけたオバフェミ・アウォロウォ大学では、ニジェール・デルタの地域紛争の専門家C.ウケジェ博士と研究に関する打ち合わせができ、またイバダン大学では、アフリカ研究所内に設置された「平和と紛争研究センター」の所長と会うことができ、今後の研究協力について相談することができた。ナイジェリアから日本への帰路を利用し、紛争処理や和解に関してその「成功例」としてあげられることが多いルワンダを訪れ、社会の脆弱性が紛争激化に与える影響と、紛争緩和や和解にとって果たす役割についてルワンダ大学のムサハラ博士と意見交換を行う一方、ルワンダでの現地調査の可能性について相談した。 3月には、ドイツのバイロイト大学の大学院アフリカ研究科とオランダのライデン大学のアフリカ研究センターを訪問し、アフリカの地域紛争と平和解決研究に関する情報交換と資料収集集を行った。バイロイト大学では、EI(エクセレント・イニシアティブ)で強化されているアフリカ研究国際大学院を訪問し、所長のイブリツィモフ氏とアフリカにおける地域紛争の多様性について話し合った。またライデン大学のアフリカ研究センターでは、日本におけるアフリカ研究の現状について講演を行い、同研究所図書館でアフリカの地域紛争に関する資料調査を行った。 また同じ3月には、来日中のウケジェ博士とJICA研究所やアジア経済研究所を訪問し、JICA研究所では「アフリカの地域紛争にみられる新兆候に関する研究」と題して報告会を開催し、ウケジェ博士には、ナイジェリアの地域紛争に関する最新の研究成果の発表と、4月に予定されている総選挙への影響について報告をしてもらった。
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