2011 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀前半朝鮮半島北部の地域社会に関する社会史的研究
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21401014
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
板垣 竜太 同志社大学, 社会学部, 准教授 (60361549)
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Keywords | 朝鮮半島北部 / 社会史 / 地域社会 / キリスト教 / 地域エリート |
Research Abstract |
2010年度までは、朝鮮半島北部の咸鏡道の咸興(ハムフン)、平安道の宣川(ソンチョン)、黄海道の載寧(ジェリョン)の3地域について調査を進めていた。2011年度の調査を進める過程で、3つの地域の情報が膨大であり、並行して深く調査を進めるのには限界があると判断した。そこで、3地域のなかで最も大きく、また最も資料の豊富な咸興地域に調査対象を限定することにした。 (1)韓国江原道の束草(ソクチョ)地域に住んでいる咸興出身者(朝鮮戦争以前に移住してきた者)の団体を訪ね、メンバーのライフヒストリーに関するインタビュー調査を実施した。 (2)韓国の国家記録院、中央図書館、国史編纂委員会、民族問題研究所等において咸興に関連した諸資料を調査した。 (3)1920年代を中心に咸興に関連した新聞記事を収集した。 (4)2009-10年度に北米で収集した宣教文書の整理・読解を進めた。 (5)その他、関連した図書等の資料を購入した。 (6)アルバイトを雇用し、資料の整理をおこなった。 また、次のような学術会議をオーガナイズし、同志社大学において実施した。 (7)2012年2月、韓国からゲストを呼び、朝鮮半島北部出身の知識人・政治家の辿った軌跡などについて論じたシンポジウム「植民地研究の最前線」を実施した。 その他、「研究発表」欄に記載したように、地方社会研究・朝鮮半島北部研究・植民地研究等、本研究に関連した学会報告・講演を実施し、研究論文を発表するなど、部分的に本研究の成果を公表しはじめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年度は学部主任業務や乳児の子育て等の関係で、あまり長く韓国等での調査研究ができなかった。また、3地域を並行して調査する計画を咸興地域のみに絞るという方針転換のためにやや時間がかかった。また、思っていた以上にインタビュイーを探すのに苦労した。その過程で、束草という地域を見出したおかげで突破口が開けた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のとおり、2011年度中に咸興地域に調査研究を集中する方針に決めたため、最終年度となる2012年度は順調に研究が進展できると期待している。
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Research Products
(12 results)