2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21401020
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山田 桂子 茨城大学, 人文学部, 准教授 (30344831)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | テルグ語 / 日本語 / 辞典 / インド / ドラヴィダ / 言語 |
Research Abstract |
<具体的内容>本年度は8月の1カ月間、マレーシアとシンガポールで最終フィールドワークを行った。マレーシアに関してはボルネオ島のクチン、コタキナバル、サンダカンに滞在し、インド移民関係の場所でテルグ人の足跡をさがした。結果的には約25日間の滞在で、テルグ人が独立したコミュニティを形成できる状態にはないことを確認し、マレーシアのテルグ人世界は基本的にはマレー半島側で終わっており、シンガポールがその最前線であることを確認した。8月のボルネオ調査ののち、12月から1月にかけての3週間シンガポールに滞在し現地のテルグ人協会の人々の協力を得て、これまで作成してきたテルグ語-日本語辞典の原稿について、見出し語の用法や例文の精査の作業を行った。 <意義と重要性等>この実績概要を記入している段階で最終的な成果報告書は未確定だが、当初の目的通りテルグ語-日本語辞典が完成する予定である。初年度の計画段階ではインドのみならず世界各地に移民しているテルグ人の言語状況を調査し、その結果を反映させる予定であった。今回ボルネオ島の調査では、統計上テルグ人がいるということと母語を維持し独自に発展させられる程度のコミュニティがあるということは別であることがわかった。統計上はテルグ人がいるはずの地域でも、実際にはマレー語など現地語に同化したり、タミル語やヒンディー語など周辺のインド諸語に吸収される場合もあり、またテルグ語話者であっても必ずしも独自の移民方言を発達させているとは限らない。近年インターネットの普及などでインド本国のテルグ語を容易に習得することも可能であり、それが却ってかつて言語学者が「言語の孤島」と表現していた移民言語状況の成立をますます難しくしている、というグローバリズムの時代特有の現象を確認できたことも、意義深い発見であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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