2011 Fiscal Year Annual Research Report
近代中国における回民コミュニティの経済的・文化的活動
Project/Area Number |
21401026
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
黒岩 高 武蔵大学, 人文学部, 教授 (60409365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 誠一郎 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (80272615)
佐藤 実 大妻女子大学, 比較文化学, 准教授 (70447671)
青木 隆 日本大学, 文理学部, 教授 (20349947)
森本 一夫 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (00282707)
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Keywords | 東洋史 / 回民 / 中国ムスリム / イスラーム / 少数民族 |
Research Abstract |
研究期間の3年度にあたる本年度は、研究計画に従って、河北省滄州市の回民(中国ムスリム)コミュニティを中心に、3回の現地調査を行い、資料収集と聞き取り調査を行った。 まず、8月21日~8月30日の期間に研究代表者、研究分担者(吉澤・青木)、天津市及び陜西省北部の5つの回民コミュニティを対象に調査を行い、碑文資料(デジタル画像)と聞き取りデータ等を得た。また、2012年2月19日~3月3日の期間には、河北滄州市内の回民コミュニティにおいて、研究代表者と研究分担者(佐藤・青木)研究協力者(中西竜也)による共同調査を行い、文献資料収集と聞き取り調査を行った。さらに、3月28日~3月31日の期間に研究代表者が台北市の清真寺(モスク)において資料収集を行った。 これらの収集資料の分析は各地コミュニティのありかたの多様性とコミュニティ相互のネットワークに注目しつつ、中国各地の回民コミュニティの歴史的変遷を考察することをめざす、本研究課題の研究活動の根幹となるものである。なお、震災の影響から調査規模(調査地域及び調査メンバーの人数)を多少とも縮小せざるを得なかった。 収集した資料は代表者・分担者・連携研究者・研究協力者がそれぞれのテーマに従って分析を進めており、成果もあがりつつあるが、3月9日には京都大学、3月13日には金沢大学において収集資料の検討会を行った。これは成果物の作成に必要な作業である。また、12月26日~1月5日には、研究分担者・森本がイランで中国ムスリムの碑文資料に現れる宗教書の同定作業を行った。これは、現在完成を目指している、アラビア語・漢語合壁碑文についての共同執筆論文(黒岩・森本・中西による)の完成度を高める上で不可欠な作業である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度、震災の影響で給付時期と給付額の確定が遅れたため、共同調査のスケジュールの調整にやや支障をきたしたことが理由としてあげられる。また、震災の影響で各大学・研究機関の年間スケジュールに大幅なずれが生じ、共同作業、調査の遂行にやや支障をきたしたことがある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は最終年度であることもあり、引き続き海外調査を行う一方、これまでの資料分析のまとめを研究の精度に支障のない範囲で急ぎ、早期に成果報告時期と媒体を確定する。また、必要に応じて、成果報告会を行う。これにより、平成23年度の遅れも成果報告分については挽回できると思われる。
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Research Products
(3 results)