2012 Fiscal Year Annual Research Report
タジキスタンにおけるゾロアスター教遺構の発掘調査及び仏教との交渉についての研究
Project/Area Number |
21401027
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
蓮池 利隆 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (50330022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 至弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30127063)
佐野 東生 龍谷大学, 国際文化学部, 教授 (60351334)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ゾロアスター教 / タジキスタン / トハーラ / 小型拝火壇(マジマル) / 灯明皿(チラク) / シーア派 / 火渡り神事 / 除災招福 |
Research Abstract |
当研究課題によるカラ・イ・カフィルニガン遺跡における発掘調査は4年目であり、2007年の試掘調査からは6年目になる。すでに発掘調査が終了したKKF-10遺構とKKF-11遺構では、遺跡保存のために、埋め戻し作業を継続している。中央アジアの一般的城塞遺跡は、城壁に囲まれた古代・中世の小都市で、ふつう領主の住んだ内城(ツィタデリ)と一般住民の住んだ城壁内居住区(シャフリスタン)および城壁外の農民居住区(ラバド)の3部分から構成される。平成22年度までの調査は城壁内居住区における発掘調査であったが、平成23年度からは遺跡南西部の内城とされている場所の発掘を開始、KKF-12として記録した。このKKF-12でも壁遺構複数を検出し、他の遺構群との位置関係や関連を検討する資料を得ることができた。また、多数の燈明皿(チラク)小型拝火壇(マジマル)も出土している。これらの文物は、7世紀頃のトハーラにおいてゾロアスター教が広く信奉されていたことを示している。 タジキスタンの調査と並行して、イランのゾロアスター教の調査も実施した。10月には研究分担者である佐野教授主導のもと、イランのコムにあるイスラームのAdyan大学を龍谷大学教授2名と大学院生4名が訪問し、研究代表者蓮池も同行してタジキスタンのゾロアスター教について紹介する機会を得た。イランは、かつてはゾロアスター教の本拠地であり、現在のイスラーム・シーア派の教義にも影響を与えていると考えられる。このようなイランの宗教事情は、中央アジアにおけるゾロアスター教の展開を考える上でも参考となるであろう。 現在のタジキスタンにおいても、習俗化したゾロアスター教がイスラームの信仰と混在する形で存続している。例えば、春分の日に野原でたき火を熾し、その上を飛び越える行事(日本の火渡り神事に相当)が見られるが、イランにおいても同じである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)