Research Abstract |
1980年代後半以降,日本に来住する中国人人口が急速に増加している。このような状況を受けて,本研究は,中国から日本へ送出される新華僑が,どのような送出システムによって来日するのかを,中国国内におけるインテンシブなフィールドワークに基づいて解明することを目的とした。 初年度である本年度は,まず,日本における新華僑の人口・出身地・分布の推移に関する文献,統計,地図などの資料収集を広範に行った。特に,中国語文献,インターネット上の中国語情報の収集・分析に重点を置いた。また同時に,日本に滞在中の新華僑から,来日の経緯,滞日生活の実態,出身地とのネットワークなどについて聞き取り調査を行った。 7月には,全メンバーが集まり,愛媛大学において研究報告・打合せ会を開催し,今後の具体的な研究計画を確認し,共同調査の内容・スケジュールなどについて決定した。 夏季休暇中には,各メンバーが四川省・雲南省・山東省などにおいて予備調査を行い,これを受けて,12月に山東省および浙江省において,日本語学校,日本への留学生派遣機関,華僑関係機関,日本留学関係者などから,聞き取り調査,資料収集などの予備的調査を実施した。この結果,本研究の主要調査地域の一つとして,浙江省麗水市青田県を選定し,来年度の調査に向けて,研究協力者へ協力依頼を行い,関連資料を収集した。
|