2012 Fiscal Year Annual Research Report
中国における日本への新華僑の送出システムに関する研究
Project/Area Number |
21401035
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Section | 海外学術 |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山下 清海 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00166662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木 裕文 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (70160786)
張 貴民 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50291620)
杜 国慶 立教大学, 観光学部, 教授 (40350300)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 人文地理学 / 移民 / 中国東北地方 / 新華僑 / 満蒙開拓 / 黒竜江省 / ハルビン市 / 方正県 |
Research Abstract |
本研究は,中国から日本へ大量に送出される新華僑が,どのような送出システムによって中国から来日するのかを,中国国内におけるインテンシブなフィールドワークに基づいて解明することを目的としている。本研究計画は平成21年度から4年間の計画で進めてきたが,これまで僑郷(華僑の故郷)である福建省福清市,浙江省青田県で現地調査を行い,それらの成果はすでに論文として公刊してきた。本年度は最終年度であり,平成22年度に予備調査を行なった黒竜江省ハルビン市方正(ほうまさ)県においてインテンシブな調査を実施した。 海外在留の老華僑の主要な僑郷は,浙江省,福建省,広東省,海南省など中国南部に多く位置している。しかし,改革開放後,中国各地から海外へ出ていく者が増加した。このような中で,方正県は,数少ない「中国北方」の僑郷であり,在日新華僑の主要な僑郷の一つである。 今年度の研究では,方正県がいかにして在日新華僑の僑郷になっていったのか,また僑郷としての方正県はいかなる地域性を有しているのかについて考察した。その結果,次のようなことが明らかになった。 1972年の日中国交回復後,日中両国間の交流が活発化し,1981年から中国残留孤児・訪日肉親捜しが開始された。その結果,方正県在住者で,中国残留日本人として認められた者が,家族を連れて日本に帰国した。その後,方正県から日本へのチェーン・マイグレーションにより,方正県出身者が日本に多く居住するようになり,方正県は在日新華僑の僑郷に発展していった。これらの研究成果は,平成25年3月の日本地理学会大会において報告した。 今後は,方正県の研究成果を論文にまとめ,学会誌に投稿するとともに,本科学研究費の成果を集大成した学術図書を刊行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)