2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおけるコリアン・ネットワークの人類学的研究
Project/Area Number |
21401046
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
朝倉 敏夫 国立民族学博物館, 文化資源研究センター, 教授 (40151021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 浩樹 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (90299058)
島村 恭則 関西学院大学, 社会学部, 教授 (10311135)
林 史樹 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (00364919)
太田 心平 国立民族学博物館, 研究戦略センター, 助教 (40469622)
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Keywords | 韓国・朝鮮 / ディアスポラ / トランスナショナリズム / 適応-協同 / 包摂-排除 |
Research Abstract |
21世紀を迎え、民族の混交は幾多の問題をはらみながら、ますます進行している。なかでも、朝鮮半島から拡散したコリアンは、ホスト社会に適応しつつも、コリアンどうしで協同している。また、ホスト社会に包摂されながら、融合されず、時に排除される。この点で独特の存在である。 本研究は、先行プロジェクトにより蓄積した基礎データと国際的な研究協力体制を活かし、第一に東アジアのコリアン・ネットワークに根差した生活文化を明らかにする。ここでは、本国のコリアンとの違いも焦点となる。その結果、第二にコリアン・ネットワークを形作る「適応-協同」の原理と、コリアン・ネットワークを取り巻く「包摂-排除」の原理を解明する。 これらにより、ボーダーレス化する東アジアで、民族の適応と協同、包摂と排除の動きがどう働いているかに迫り、民族の混交という社会のリスクを透明化する一助としたい。 本年度は、昨年度の末におこなった国際シンポジウム「東アジアのコリアン・ネットワーク-その動向と実践」の成果をとりまとめた。その場で行なった本研究の中間発表を精査するとともに、そこで得られた国外協力者たちからのコメントを吟味し、かつ不足する知見や情報をおぎなうために補足調査をおこなった。 これに加え、本研究でとりあつかうべき事例でありながら、これまで不足していた脱北者の存在に着目し、それに関する調査研究と成果発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
4年間の研究過程のうち2年目の段階で中間成果のとりまとめが済み、3年目である本年度に余裕をもって最終報告書の準備が進んだ。このため、当初の計画より幅広い事例研究をおこなうことが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、まずこの研究の最終成果を公刊する。それをもとに、学会発表等を随時におこない、学界有識者との意見交換をへて、ピア・レビューを受けていく。
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Research Products
(8 results)