2011 Fiscal Year Annual Research Report
明治期北海道におけるアイヌ・西洋人・エージェントをめぐる文化人類学的研究
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21401047
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
出利葉 浩司 北海道開拓記念館, 事業部, 事業部長 (40142088)
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Keywords | 文化人類学 / アイヌ / 人類学的調査 / コレクション / フレデリック・スター / ベンジャミン・ライマン / ニールG.マンロー |
Research Abstract |
(1)未調査基礎資料の調査など ・フレデリック・スター関係資料、とくに北海道調査、セントルイス万国博覧会関連資料の補足的な調査をアメリカ合衆国(カリフォルニア大学バークレー校図書館、オレゴン大学図書館)において行った(12月連携研究者宮武公夫) ・ベンジャミン・ライマン関係資料、とくにフィラデルフィア万国博覧会との関係性の調査をアメリカ合衆国議会図書館において行った(3月連携研究者財部香枝) ・ニールG.マンロー関係資料の調査をロンドン市RAIにおいて、またジョルジュ・モンダンドン収集資料の展示についての調査をパリ市ケ・ブランリー美術館において行った(2月連携研究者池田貴夫・田村将人) (2)関係者への状況説明とくに倫理的問題について ・マンローの孫にあたるアイリーン・マンロー女史の北海道二風谷来訪にあわせて同地でアイリーン氏と面会し、本研究の内容や意義について説明し、研究の遂行について承諾を得た。 ・平成24年度に平取町において関係者への報告を兼ねた一般向け普及事業を予定しており、現地で農地あわせを行った。 (3)なお、予定していた全体会議は、調整が付かず、研究代表者が各連携研究者(宮武公夫、矢口祐人、財部香枝、山崎幸治、池田貴夫、田村将人)と個別に面談・連絡を取り、進捗状況を確認し、平成24年度に一般向け普及事業を行うこと、まとめの方法などについて協議した。また、連携研究者山崎幸治によるスチュアート・キュリン関連資料調査は、次年度に延期することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
書簡類や日記、写真類など、確認することができた資料(史料)が、量的に当初の予想を上回ったことが、第一の理由として挙げられる。さらに、脆弱な史料も多く、写真撮影など資料のデジタル化処理が手間取ったことも、挙げられる。また、合衆国東部地震の影響など、史料収蔵機関の休館などにより調査計画を変更せざるを得なかったことによる遅れが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
明治年間に北海道を訪問した外国人とアイヌの人びととの「出会い」について、外国人が残した記録類をもとに当時の状況を探ろうとするが、対象とする外国人を当初の予定より絞り込むことで、ある程度の密度を保った調査研究をおこなっていくことにしたい。 ロシアなどに未調査の文献類を残すことになるが、これらは今後のアイヌ研究に意味を持つものと考えている。継続的に調査していくかどうかは、本年度中に協議したい。
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Research Products
(6 results)