2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国の地方環境ガバナンスと日中環境協力に関する政策研究
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21402002
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
寺西 俊一 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30134878)
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Keywords | 環境ガバナンス / 日中環境協力 / 廃棄物政策 / 大気汚染政策 / 水汚染政策 / 国際情報交換 / 中国 |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者に加え、以下の7名の連携研究者により4班からなる研究体制を構築している。すなわち、(1)研究代表者と片岡直樹・東京経済大学現代法学部教授による「総括・地方環境ガバナンス分野」。(2)吉田文和・北海道大学公共政策大学院教授と山下英俊・一橋大学大学院経済学研究科准教授による「廃棄物・リサイクル分野」。(3)除本理史・東京経済大学経済学部教授と相川泰・鳥取環境大学環境情報学部准教授による「大気汚染・自動車交通分野」。(4)大塚健司・独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所新領域研究センター副主任研究員と野田浩二・武蔵野大学環境学部専任講師による「水汚染対策分野」である。 平成23年度は、平成22年度までの調査結果を踏まえ、夏以降に開催された学会や国際会議等において、最終成果とりまとめに向けた成果報告を随時おこなった。さらに、平成22年度までの調査の結果、重点的な追加調査の必要性が確認された水汚染対策分野に関し、浙江省における生態補償メカニズムに焦点を絞った現地調査を9月に実施した。具体的には、水源地の生態環境保全と地域の経済開発を両立するための方策である異地開発の事例として、金華市の金盤扶貧開発区と盤安県を視察した。さらに、嘉興学院において同学院の経済学系の研究者を招き、生態補償の制度設計に関するワークショップを開催した。 12月には、3年間の研究プロジェクトの成果を総括するワークショップを一橋大学にて開催した。このワークショップでは、長江デルタ地域の環境政策の到達点を分野ごとに把握するとともに、東日本大震災にともなう東京電力福島原発事故を踏まえ、中国における原子力発電に関する規制の在り方についても検討が行われた。さらに、3年間の研究成果の到達点として、新たな環境ガバナンスの経済理論の枠組みが提起され、プロジェクト終了後の研究の方向性に関する意見交換が行なわれた。 プロジェクト終了後は、研究成果の学術雑誌への投稿を進めるとともに、それらを総合した学術書の出版に向け、取り組みを進める予定である。
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Research Products
(46 results)