2011 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル時代のマルチ・レベル・ガバナンス-EUと東アジアのサブリージョン比較
Project/Area Number |
21402016
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
多賀 秀敏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (30143746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和 山形大学, 人文学部, 教授 (50238094)
大津 浩 成城大学, 法学部, 教授 (10194200)
臼井 陽一郎 新潟国際情報大学, 情報文化学部, 教授 (90267451)
柑本 英雄 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00308230)
吉川 健治 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 准教授 (30512727)
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Keywords | サブリージョン / サブリージョナリズム / 越境 / インターレグ / GMS / リージョナリズム / 東アジア共同体 / シェンゲン |
Research Abstract |
2004年に、国公私立11大学の研究者が集まり、「サブリージョン研究会」を結成し、爾来、調査研究を継続してきた。主として、GMSなど東アジアに登場したサブリージョンと、EU下のサブ・マイクロリージョンとの比較を中心に、現地実態調査に臨んだ。本研究の目的は、越境広域地域(サブリージョン:以下SR)に対するガバナンスの有効性を問う点にある。とくに、複数の瑚家をまたぐSRの場合、国境には様々な要素が噴出する。本研究は、GMS(大メコン地域圏)、その他の東アジアのSR、欧州の国境地域・国境周辺現地調査を徹底して行った。西欧起源の主権国家体系下では特異な要素を有するGMSをモデル化し、比較分祈を行った。最終的には、複数の社会科学の分野からアブローチしつつ、SR分析の汎用モデル化を図る。研究チームは、国家間のリージョン形成が未発達な東アジアには、国家間の公式の越境空間次元とは別に、伝統的に非公式な越境ないし跨境的次元が存在する事実と、GMSが、欧州にもない特殊なSR形成の動きである事実とをすでに発見した。GMSについては、当チームのように、経済学のみならず、政治学、社会学、国際政治学、国際関係論、法学、歴史学、地域研究など総合的に接近する研究が皆無に等しい。平成21年度からは、地域ガバナンス間の国際連携モデル構築研究の延長上に、より精緻なSR分析の汎用的モデルを構築しつつある。第1に、経済に特化せず、学際的アブローチを維持した。第2に、SRの欧亜比較は、可能かつ有益なことが実証された。こうした比較手法を継続する。第3に、これまで比較モデルを先行する欧州に求めてきた発想を逆転し、GMSモデルを比較の中心に据えて、汎用モデルの完成を目指す。第4に、国境周辺の海外調査を継続的に実施し、FTAなどの国際関係の表面のみに関する記述分析を補完する。23年度は、報告書を作成した。
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Research Products
(7 results)