アフリカ農村部の産前検診と健康～無作為実験によるプログラム評価

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21402018
• Research Institution: University of Tsukuba
• Principal Investigator: 高崎 善人 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (00334029)
• Keywords: 開発経済学 / 健康 / 貧困 / 無作為実験 / 国際研究者交流 / ナイジェリア

Research Abstract

本研究では、ナイジェリア北東部を対象に、条件付現金移転～産前検診の受診を条件とした現金補助～ならびに妊婦教育に関して無作為実験を行った上で、2年以上にわたり聞き取り調査を実施し、妊婦・乳児の健康管理(インプット)ならびに健康状態(アウトプット)への広範な効果をみる。2年目の今年度は、研究計画に従い、文献調査、ベースライン・第1回フォローアップ調査データ分析、第2回フォローアップ調査準備・実施、第2回フォローアップ調査データ入力・校正、第2回フォローアップ調査データ分析、第2回中間フォローアップ調査準備・実施、第2回中間フォローアップ調査データ入力・校正、第2回中間フォローアップ調査データ分析を行った。フォローアップ調査は個人・家計調査(約900世帯)、村落調査(100村)、医療施設調査(約100施設)が対象であり、中間フォローアップ調査は個人・家計調査のみである。ベースライン・第1回フォローアップ調査データの欠損・不具合に関するフォローアップも併せて行った。昨年度に続き、調査はおおむね順調であった。現地調査協力員に対して十分な研修を行い、村での調査協力者の反応も上々であった。健康状態への効果等に関する詳細なデータ分析のためには、これまで収集した全データについてさらなる校正作業が必要であり、平成23年度初めに引き続き行う。予備的データ分析によると、条件付現金移転が産前検診の受診を促す一方で、妊婦教育は効果を持たないという興味深い結果が導かれた。