2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21403006
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
塩原 匡貴 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (60291887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 明博 気象庁気象研究所, 気候研究部, 室長 (50354460)
小林 拓 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (20313786)
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Keywords | 北極 / 混合相雲 / 雲放射特性 / 雲微物理特性 / ニーオルスン |
Research Abstract |
本年度は、2011年5-6月に北極・ニーオルスンにて実施した混合相雲観測で得られたデータの解析を行った。特に、ツェッペリン観測所(標高474m)での雲粒子直接測定により次のような結果が得られた。 1)雲粒子の微物理特性 典型的な混合相の雲と思われた2011年6月9日の雲粒子プローブ(CAPS)観測データを中心に解析を行った。この時の観測現場の気温は-5~0℃、湿度は90~100%であった。全雲水・氷量は、0.1(g/m^3)以下で少ない。水滴と氷粒子の割合は、どちらが一方的に多いと言うことはなく両者が共存していた。氷粒子の形としてはコラム状の粒子が非常に多く、雲氷量(IWC)への寄与も多かった。 2)雲粒子の光学特性 測定した粒径分布を元に、消散係数、吸収係数、一次散乱アルベド(SSA),非対称因子を計算し、雲水・氷量に対する変化を調べた。その結果、雲水・氷量をリモートセンシングにより推定するためには、水蒸気やCO_2などの吸収帯の位置を考慮すると、従来から使われている1.6μmや2.2μmが有効であることが再確認できた。 3)雲粒子顕微鏡カメラによる粒子形状計測 雲粒子を浮遊した状態でそのまま撮影できるような顕微鏡カメラシステムを開発し、2011年5-6月の混合相雲観測に用いた。その結果、CAPSと同様、直径10~20μmにモードを持つ粒径分布が得られ、その映像の特徴からこの微粒子領域の雲はほとんど水雲で構成される様子が見出された。
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