2009 Fiscal Year Annual Research Report
太古代前期縞状鉄鉱層形成と光合成微生物進化との関連
Project/Area Number |
21403009
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
掛川 武 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (60250669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 光 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (90252577)
大庭 雅寛 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40436077)
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Keywords | 光合成 / 縞状鉄鉱層 / 太古代 / 酸素 / 微生物進化 |
Research Abstract |
初期地球海洋環境に特異的に出現した縞状鉄鉱層の成因に関して国際的論争が展開されている。近年、微生物活動の関与が強調されているが、それをサポートする地質学的データと有機化学的データは圧倒的に不足している。そこで、本研究では、グリーンランド、南アフリカとカナダで野外調査を行い38-30億年前に形成された縞状鉄鉱層の堆積環境を規定する。最新鋭の機器分析を通して有機物の窒素、炭素、硫黄同位体組成、バイオマーカー組成を決定し、微生物関与の証拠を提示する。本研究の結果と、外国研究者の室内シミュレーション実験とを総合し、縞状鉄鉱層形成に微生物が関与したこと、微生物のタイプが時代ごとに変遷したことを新たなモデルとして提示してゆくことを目的としている。 本年度は南アフリカのバーバートン地域とカナダのランビーレイク地域およびガンフリント地域の地質調査、試料採集を行った。採集された試料を用いて各種化学分析も行われた。その結果、バーバートン地域では、32億年前の初生的な赤鉄鉱が産出することが分かった。これは酸素発生型か非酸素発生型か、いずれかの光合成によって生成されたと結論つけた。またランビーレイク地域では30億年前の海洋環境における酸素発生型光合成微生物と化学合成細菌の生態系の対比に成功した。この成果は、Goldschmidt会議で報告された。またガンフリント地域試料の窒素同位体分析(大阪大学分担)を通して、酸素発生型光合成細菌による極端な窒素循環が明らかになった。これにより初期光合成と大気-生物圏間の炭素、窒素元素循環との関連や当時の海洋環境変動との関連が明らかになった。その成果はGoldschmidt会議で公表されると同時に日米の教科書(2010年出版予定)にも掲載される予定である。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Spatial distribution, diversity and composition of bacterial communities in sub-seafloor fluids at a deep-sea hydrothermal field of the Suiyo Seamount2009
Author(s)
Kato S., Hara K., Kasai H., Teramura T., Sunamura M., Ishibashi J-I., Kakegawa T., Yamanaka T., Kimura H., Marumo K., Urabe T., Yamagishi A.
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Journal Title
Deep Sea Research Part 1 Vol.56
Pages: 1844-1855
Peer Reviewed
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