2009 Fiscal Year Annual Research Report
北部アドリア海ソサ川河口域の高濃度残留水銀の動態に及ぼす密度成層の影響について
Project/Area Number |
21404003
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
多田 彰秀 Nagasaki University, 工学部, 教授 (90144328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨安 卓滋 鹿児島大学, 理学部, 教授 (60217552)
松山 明人 国立水俣病総合研究センター, 疫学研究部, リスク評価室長 (00393463)
矢野 真一郎 九州大学, 工学研究院, 准教授 (80274489)
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Keywords | 残留水銀の動態 / 密度成層 / 形態別水銀濃度 / 現地観測 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、水俣湾(潮汐流が卓越、総水銀で0.5ppm以下の微量水銀)とは卓越する流動特性および水銀汚染状況の著しく相違するアドリア海北部のトリエステ湾に注ぐ国際河川ソサ川河口域(密度流&吹送流が卓越、総水銀で14ppm以上の高濃度汚染海域)に着目し、ソサ川河口域とその外海となるトリエステ湾を含んだ広海域において密度成層を正確に把握し、それらに伴って発生する底泥中残留水銀の溶出や巻上げの発生機構およびその基本特性を詳細に解明するために、平成21年9月7日~9月11日にかけて現地観測および採水・採泥調査を行った。すなわち、ソサ川の流軸に沿った約4km区間(河口から沖側の沿岸域4km)を1.0km間隔に分割して5の観測点を設定するとともに、各観測点で水温、塩分、濁度、pH、クロロフィルaおよび溶存酸素濃度の鉛直分布を多項目水質計によって計測した。得られた観測結果より、水温成層の影響範囲および貧酸素水塊の出現状況について明らかにすることが出来た。さらに、底泥中残留水銀および底泥直上の海水中に含まれる水銀の測定をも実施した。すなわち、河口から流軸に沿った沖側約4km区間上の5の観測点中から、ソサ川河口部1点および河口から沖側2kmおよび4kmの沿岸城に位置する3点を採泥・採水地点として設定した。これら三つの採泥・採水地点では、採泥器および新型採水器を用いて、それぞれ底泥コア(海底面から深さ約0.2m程度)および底泥直上の海水、躍層・表層の海水(各1リッター)が採取された。分析結果に基づけば、河口で海水中および底泥中ともに水銀濃度が高いことが明らかとなった。一方、河口から沖側の2kmおよび4kmの地点では水銀濃度が予想した値よりも小さいことが確認できた。これは、観測期間が9月上旬であり、水温成層が弱化傾向にあったものと判断される。なお、形態別水銀濃度の組成については、現在、検討中である。
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