2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける大気越境化学物質の動態および生物影響に関する国際的調査
Project/Area Number |
21404005
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
長江 真樹 Nagasaki University, 環境科学部, 准教授 (00315227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 雄二 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 准教授 (20206709)
高良 真也 長崎大学, 環境科学部, 教授 (40225389)
久保 隆 長崎大学, 共同研究交流センター, 助教 (40397089)
岡田 二郎 長崎大学, 環境科学部, 准教授 (10284481)
西山 雅也 長崎大学, 環境科学部, 准教授 (50263801)
河本 和明 長崎大学, 環境科学部, 准教授 (10353450)
高辻 俊宏 長崎大学, 環境科学部, 准教授 (70163219)
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Keywords | 化学物質 / 大気汚染 / 生物影響評価 / 後方流跡線解析 / PAHs |
Research Abstract |
東アジア、主に中国大陸で発生し越境して近隣諸国にもたらされる化学物質による大気汚染は深刻化していると考えられるが、その詳細な因果関係については現在も明らかにされていない。本研究では、大陸間越境化学物質の動態および生物影響調査を国際的研究協力体制のもと実施した。具体的には、1)捕集した大気に含まれる有害有機化合物の定性おなび定量分析、2)捕集大気からの抽出成分を用いた生物影響評価試験、3)気団の起源推定の大きな3項目から構築され、多角的な視点からの解析を実施した。 2009年度は、長崎の西彼杵半島県民の森、韓国の済洲島ハンナラ山、沖縄本島北部森林公園においてハイボリュームエアサンプラーにより大気をフィルター捕集した。フィルターから溶媒により回収された大気抽出液を用いて、サルモネラ菌を用いた遺伝子毒性評価試験(umu試験)、ミジンコ遊泳阻害試験、線虫を用いた急性・経代毒性試験、土壌微生物活性試験および昆虫行動影響試験をそれぞれ実施した。 その結果、各試験結果に多少のバラツキは認められるものの、何れの試験においても捕集大気中に含まれる物質が有意な変化を引き起こすことが明らかとなった。これら変化は、比較対照として用いた市販のディーゼル排気粒子抽出物の試験においても認められたことから、主に化石燃料の燃焼成分がその原因物質の一つであると推定された。また、化石燃料の燃焼によって発生する多環芳香族炭化水素類(PAHs)を用いてumu試験により遺伝子毒性を調べたところ、特定のPAH種に強い効果が認められたことから、PAHsがその原因物質の一つであると示唆された。さらに、大気の後方流跡線解析および元素分析により、捕集された大気は主に中国東北部で発生し、人為起源の物質を多く含むことが裏付けられた。 今後、これら生物影響の季節変化を明らかにするとともに、大気粗抽出物を画分化し、各生物影響を誘導する毒性の本質を明らかにしたい。
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Research Products
(9 results)