2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21404012
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
板山 朋聡 Meisei University, アジア環境研究センター, 客員研究員 (80353530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩見 徳雄 明星大学, 理工学部, 准教授 (00353532)
杉浦 則夫 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10302374)
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Keywords | 藍藻 / 養魚池 / タイ国 / ミクロシスティス / 藍藻毒 / ミクロシスティン / カビ臭物質 / ジェオスミン |
Research Abstract |
タイのチェンマイ県、サンサイにあるメジョー大学(Faculty of Fisheries Technology and Aquatic Resources, Maejo University)のNiwooti Whangchai准教授の研究室を中心に、ナレンサワン大学パヤオ校(Naresuan University Phayao)、チェンマイ大学(Chiang Mai University)およびパヤオ水産試験場と共同で、チェンマイ近郊とパヤオ市近郊の養魚池(テラピア、ナマズ)およびパヤオ湖で現地調査を実施した(6月-予備調査-、9月、12月、3月)。各現場では、DO,pH,温度、濁度、電導度を測定した。また、採取したサンプルは、クロロフィルaとTSSを測定すると同時に、藻類の同定と計数を行った。さらに水質分析(NO_3-N,NO_2-N,NH_4-N,PO_4-P,TN,TP)をメジョー大学で実施した(分析結果に矛盾があるため再分析中)。藍藻毒ミクロシスティンの分析としては、HPLC分析とともに、ELISA法、脱リン酸化酵素PP2Aを用いた酵素アッセイ法について技術指導を実施した。さらに、藍藻の分子生態学的解析を実施するための遺伝子抽出法(iSOILとFastDNA Spin kit for Soil)およびReal Time PCRの技術指導を実施した。また、カビ臭物質(2MIB,Geosimin)分析はメジョー大学のバイオテクノロジーセンターで実施した。 形態分類では藍藻(Cyanophyta)としてはMicrocystis aeruginos, Microcystis wersenbergiiが多く観察され(~7×10^6cells/mL)、またAnabaena sp., Spirulina sp., Oscillatoria sp.も少数観察された(<10^4cells/mL)。養魚池では、藍藻(Cyanophyta)については、Microcystis sp.,(2.0×10^4~7×10^6cells/mL)の他、Oscillatoria sp.Anabaena sp.Pseudanabaena, sp.Merismopedia sp.Phormidium sp.が観察された。またMicrocystis spは78池中の71池で観察された。また、ミクロシスティンは41池中19池でmicrocystin-LRとして0.2μg/L以上が検出された。最大は7.41μg/Lであった。PP2A法についても、ほぼ同程度の濃度で検出された。なお、ELISA法はコスト高のため今後は使用しないこととした。さらに、カビ臭物質濃度は、78池中すべてで検出され、平均で、Geosmin 15μg/L,2MIB 45μg/Lであった。DNA抽出(iSOILよりFastDNA Spin kit for Soilが操作が簡易で抽出が容易)とSYBER GREE法により16sRDNAのMicrocystis特異領域(Tomioka, N.et al, Microbes and Environments(2008))の検出にメジョー大学で成功し、今後、現地でのMicrocystis sp、microcystin分解菌mlr遺伝子等の定量化の目処を得る事ができた。
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Research Products
(4 results)