2010 Fiscal Year Annual Research Report
オマーンに湧出する高アルカリ泉から学ぶアルカリ環境の地球・生物資源科学
Project/Area Number |
21404017
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 努 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10313636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道林 克禎 静岡大学, 理学部, 准教授 (20270978)
長沼 毅 広島大学, 生物圏科学研究科, 准教授 (70263738)
鈴木 雅一 静岡大学, 理学部, 准教授 (60280913)
上田 晃 富山大学, 工学研究科, 教授 (90456799)
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Keywords | オマーン / 高アルカリ / 蛇紋岩化作用 / 生物生態工学 / 資源開発工学 |
Research Abstract |
22年度は12月から1月にかけて、研究代表者、研究分担者の一部、連携研究者の一部とそれぞれの研究室に所属する大学院生が参加する現地調査を行った。現地調査の目的は、(1)高アルカリ泉を作り出す地質学的条件とその地球科学・地球工学的インパクトの解明、(2)高アルカリ環境における地球化学的諸現象(沈澱、吸着、表面錯体、固液分配等)の解明、(3)高アルカリ環境に適応した微生物群集や動物種のスクリーニングとその適応機構の解明、(4)自然が作り出したコンクリートの長期挙動とその生成に学ぶ二酸化炭素貯留法の解明である。調査では、アルカリ泉周辺の岩石、水、沈殿物(微生物を含む)、魚・カエルなどの動物採集を行い、より詳細な分析が必要な試料については適切な処理を施した後に日本に持ち帰り、グループ毎に専門的な見地から分析を行った。その結果、(1)高アルカリ泉を作り出す地殻一マントル境界に発達したマントル延性剪断帯の構造が明らかとなった、(2)高アルカリ環境における炭酸塩鉱物の生成とその速度式を導くことができた、(3)高アルカリ泉から新規微生物遺伝子や16株の炭酸塩形成候補菌の分離・同定に成功した、(4)高アルカリ泉の周囲に3種の淡水魚と1種の無尾両生類の棲息を確認し、中でも淡水魚のG.barreimiaeは80%アルカリ温泉水への適応能を持つことが明らかになった。また、9月に広島大学で、具体的な研究内容の相互理解および研究内容の啓蒙のためのワークショップを開催した。本ワークショップでは、広島大学理学部の学部学生、大学院生、教職員も参加して、活発な議論が展開され、今後の研究内容に関して重要な指針が示された。
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Research Products
(33 results)
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[Journal Article] Natural iodine in a clay formation : Implications for iodine fate in geological disposals.2010
Author(s)
Claret F, Lerouge C., Laurioux T., Bizi M., Conte T., Ghestem J.P., Wille G, Sato T., Gaucher E. Q., Giffaut E., Tournassat C.
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Journal Title
Geochim.Cosmochim.Acta
Volume: 74
Pages: 16-29
Peer Reviewed
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