2009 Fiscal Year Annual Research Report
シルビクロノロジー:過去の森林現存量増加速度の復元、変動要因解析、および将来予測
Project/Area Number |
21405008
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大澤 晃 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (90288647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安江 恒 信州大学, 農学部, 准教授 (00324236)
梶本 卓也 森林総合研究所, 植物生態, 研究室長 (70353638)
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Keywords | 森林 / 現存量 / シルビクロノロジー / 年輪年代学 / 成長解析 / 亜寒帯林 / Picea mariana / Populus tremuloides |
Research Abstract |
本研究は、森林の構造と環境要因との関係を解析する新しい学問分野「シルビクロノロジー(森林年代学)」の主な構成要素を組み立て、森林の過去の現存量と現存量増加速度の復元およびこれらの将来予測に応用することを目的とする。亜寒帯林と温帯林数ヶ所からの林分データを採取・解析して方法の基礎を確立し、これを温暖化の影響を強く受けていると考えられるカナダ北部の亜寒帯林に適用して、地域レベルの過去100-200年間の現存量蓄積速度の復元と今後約100年間の変化予測を、現存する林分から得られる試料を活かしつつ客観的な方法によって行うことを目的としている。初年度は、すでにデータの存在するグメリンカラマツに関して、過去の現存量推定を行った。同時に解析予定だったヒノキ林は、2010年3月に間伐を行い、解析用の樹木サンプルを採取した。今後解析を進める。また、初年度には、6月にカナダ調査の打ち合わせ会議を滋賀県大津市の龍谷大学において開催し、さらに、地域レベルの現存量復元と将来予測の研究に用いる調査地を、カナダ・北西準州のフォートスミス近郊に設置した。約3キロメートル四方の調査地域を決定し、その中に存在する主な森林タイプを踏査した後、詳しい林分構造記述のための測定プロットを10ヶ所設置した。これらのうち、約半数の毎木調査を行い、林分データを入手した。平成22年度は、測定プロット数をさらに増やすことと同時に、林分構造復元に必要な樹木幹サンプルを多数採取する予定である。これには数十本の樹木を伐採し、幹円板を採取する必要がある。平成22年度の主な仕事となる。平成22年6月には当該年度のカナダ調査のための打ち合わせ会議を行う予定である。サンプル円板は日本に持ち帰り、または別送便にて研究室宛送付し、秋より年輪解析のための作業を開始する。
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Research Products
(3 results)