2012 Fiscal Year Annual Research Report
バイカル・カジカ類の著しい適応放散を繁殖生態・初期生活史・遺伝子の多様性から探る
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21405013
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
木下 泉 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (60225000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗原 弘幸 北海道大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (80212249)
酒井 治己 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 教授 (80399659)
高橋 洋 独立行政法人水産大学校, その他部局等, 助教 (90399650)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | バイカル湖 / カジカ類 / 適応放散 / 系統進化 / 遺伝的多様性 / シンポジウム |
Research Abstract |
氷塊直後かつ鉛直混合直後の6月に沖合性カジカ類(コメフォルス,コットコメフォルス)仔稚魚の鉛直分布の昼夜変化を明らかにすることができた.その結果,両属とも,ほとんど鉛直日周回遊は行わず,昨年の7月調査とは全く異なっていた. 全33種中27種(3科11属)についてミトコンドリアゲノムの全長配列(約16,500 bp)を得ることに成功し,本湖以外のカジカ属2種を外群として系統解析を行ったところ,ほぼ全ての属は各々高い統計的確度で単系統群を形成し,属間の系統関係の多くも高い統計値で支持系統樹が得られた.この系統樹は,バイカルカジカの適応放散過程を議論する際に,非常に強力な基礎データを得られた. 2012年9月24日に日本魚類学会年会において,「バイカル湖におけるカジカ類の起源,適応放散と種分化」という,ロシア研究者2名を含む12題からなるシンポジウムを主催した.その内容は以下のとおりである. バイカル湖は世界で最古(約3,000万年前), かつ最深(1,640 m)の淡水湖であり,現在15科33属61種・亜種の魚類が分布する.その中で,近年における分子系統研究によって,バイカルカジカ類は単系統群であり,その起源年代も以前の見積と異なって250~500万年前とそれほど古いものではないことが明らかになった.本シンポジウムでは,1990年代初頭から約20年間にわたって日本とロシアの研究者による共同研究として進められてきた研究の経緯と,起源,適応放散,種分化などの研究成果について発表・論議することによって,バイカルカジカ類の進化史の総合的な理解を深めるとともに,今後の研究課題を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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