2009 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの環境保全型農法における害虫管理機能の解明と活用
Project/Area Number |
21405018
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
足達 太郎 Tokyo University of Agriculture, 国際食料情報学部, 講師 (50385506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小路 晋作 金沢大学, 地域連携推進センター, 特任助教 (10447683)
高須 啓志 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50212006)
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Keywords | 環境保全型害虫管理 / アフリカ / 混作 / ネピアグラス / プッシュ・プル法 / トウモロコシ / ファイトプラズマ病 / ケニア |
Research Abstract |
1.西ケニアの環境保全型農法圃場におけるファイトプラズマ病媒介昆虫 ケニアでは近年、プッシュ・プル法とよばれる環境保全型農法で利用される牧草ネピアグラスにファイトプラズマによる萎縮病が流行し問題となっているが、この病気を媒介する可能性のあるウンカ・ヨコバイ類の種構成や個体群特性はわかっていない。そこで、ケニア西部ブンゴマ県のネピアグラス圃場において、18週間にわたりマレーズトラップと吸引採集機を用いてウンカ・ヨコバイ類の調査を行なった。その結果、同定されたウンカ・ヨコバイ類のうち、最優占種はMaiestas banda(ヨコバイ科)であることがわかった。本種はファイトプラズマの伝搬能力をもち、当地における萎縮病の媒介者として重要と考えられた。また、M.bandaを含む3種の個体群密度は健全株よりも発病株において高いことがあきらかとなった。(研究分担者:小路晋作、研究協力者:C.A.O.Midega・H.Mohamed・Z.R.Khan) 2.西ケニアのトウモロコシ圃場におけるズイムシ類の発生と天敵寄生率 ケニアでは1990年代より国際昆虫生理生態学センター(ICIPE)によってトウモロコシを加害するズイムシ類に対して寄生蜂による生物的防除が試みられてきたが、2005年にプロジェクトが終了して以来、その後の寄生蜂の発生や防除効果は調べられていない。そこで、プロジェクトが実施されたビタからキスムにかけての地域において、トウモロコシ畑におけるズイムシ類の発生と寄生蜂による寄生率を調べた。その結果、おりからの旱魃のため調査可能なトウモロコシ畑が少なかったものの、5つの調査地点でズイムシ類の一種であるChilo partellusに5-30%の寄生率で幼虫内部寄生蜂Cotesia flavipesが寄生しているのが確認できた。(研究分担者:高須啓志)
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Research Products
(2 results)