2011 Fiscal Year Annual Research Report
マレーシア産きのこ類のインベントリーとDNAバーコード
Project/Area Number |
21405023
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
服部 力 独立行政法人森林総合研究所, 関西支所, グループ長 (00353813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 祐子 独立行政法人森林総合研究所, 企画部, 室長 (60343802)
根田 仁 独立行政法人森林総合研究所, きのこ・微生物研究領域, 室長 (60353801)
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Keywords | 生物多様性 / 木材腐朽菌 / 東南アジア / 生物物理 / DNAバアーコード |
Research Abstract |
マレー半島の低湿地・低地熱帯林であるタシック・ベラ保護林において菌類調査を行い、得られた標本について同定作業を進めた。また、これまで低地熱帯老齢林であるEndau Rompin、Pasoh、および高地林であるCameron High lands、Fraser's Hilにおいて採取した標本に対する分類学的検討を行った。さらに、マレー半島各地の低地熱帯老齢林、山地林、マングローブ林、低地二次林などから、マレーシア側カウンターパートによって採取された標本についても検討、同定作業を進めた。標本検討の結果、高地林には低地林との共通種に加え、マレー半島もしくは周辺地域の高地林固有種、東アジア温帯域との共通種が分布することがわかった。また、低地熱帯林の老齢林には固有かつ希少性の高い種が確認された。マングローブ林には、種数は少ないものの固有性の高い菌種が分布しており、菌類多様性保全上、多様なタイプの森林保全が重要であることが明らかになった。検討した標本はマレーシア森林研究所菌類標本庫に保管、菌類の同定に関わるマレーシア内外の研究者が利用可能である。これまで約130サンプルについてITS領域のシーケンスを試み、うち98点についてはデータベース登録可能な600bp以上のシーケンスに成功した。うち、44サンプルは95%以上一致するものがデータベース上に未登録で、データベース未登録種の可能性がある。これらのデータは順次データベース上で公開を行い、分類学研究者ならびに菌の有効利用など応用研究者が菌の同定に際して有効利用できるほか、環境DNAからの多様性解析研究に有効利用が可能になる。
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Research Products
(8 results)