2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国西部地区農村近代化に関する調査研究-土地・労働力・産業化・インフラを中心に-
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21405028
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
座間 紘一 J. F. Oberlin University, 経済・経営学系, 教授 (30034870)
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Keywords | 中国経済 / 農村経済 / 農村近代化 / 土地問題 / 地域産業 / 農村労働力 / 農村財政 / インテグレーション |
Research Abstract |
今年度は四川成都周辺、湖北松滋市、浙江義烏市という西部、中西部、東部の農村地域を調査した。即ち、(1)湖北省調査(調査期間=2009/08/02-08/10:調査者=座間、金山、小松、任、羅)、調査対象=湖北省農業庁、松滋市政府、新農村建設モデル村、専業合作社、竜頭企業など、中国側共同研究者との研究交流、(2)成都・義烏調査(2010/02/28-2010/03/13:座間、金山、小松、任、戴、陳)、成都周辺の近郊県、丘陵地帯の県、山区の県の県政府、郷政府、村民委員会、新農村建設モデル村、専業合作社、竜頭企業、義烏の国際商望城、周辺農村、竜頭企業、郷鎮企業など、中国側研究者との交流、などである。得られた知見は以下の通り。(1)土地問題:土地の国有、集団所有及び土地の農外使用の増大、都市化による土地譲渡価格の値上がりと地方政府主導の都市開発、企業誘致や住宅供給が地方政府の財政収入、地域住民の就業と所得を増大させるメカニズムの存在。従って、都市近郊、中間地域、遠隔地域の経済格差が広がりつつある。(2)労働力:中西部地域の開発や産業化の進展が、現地の雇用の場を創出し、東部地域での出稼ぎ労賃の高騰を生み出している。(3)産業化:地方政府主導の企業誘致により大小様々な企業が農村地域に進出している。しかし立地条件の良い近郊農村、中間地、遠隔地では進出状況に企業規模、企業数、経営の広域性などの格差が見られる。(4)インフラ:新農村建設の政策誘導により、様々なモデル農村が生み出されているが、政府の補助金と地元負担によるため、地元政府と農民の経済力により差異が見られる。また政府主導のためか、村作りが画一的なきらいがある。(5)農村財政:政企分離・政社分離政策にもかかわらず、県や郷鎮では基層政府は依然として経営型政府であり、財政規模は地元経済活動の規模を反映している。
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Research Products
(1 results)