2009 Fiscal Year Annual Research Report
レアメタル汚染の浄化と資源回収システムの開発を目指した新規金属代謝微生物の探索
Project/Area Number |
21405038
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川本 純 京都大学, 化学研究所, 助教 (90511238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 准教授 (70243087)
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Keywords | 環境技術 / 応用微生物 / 生体機能利用 / バイオテクノロジー / 微生物 / 金属代謝 |
Research Abstract |
1.汚染土壌の浄化、および汚染土壌からのレアメタル回収システム開発の基盤技術となる異化的金属代謝能を有する新規微生物群の獲得を目的とし、中国内蒙古自治区ハイラル区の土壌調査を行った。同地区鉄鉱石採掘場より採取した土壌から、貧栄養培地を用い低温(4℃-18℃)での生育能を指標に、耐冷性微生物群を選抜した。4℃もしくは18℃で増殖性の高い9株、17株をそれぞれ単離し、MALDI-TOF/MSによるリボゾームタンパク質群の質量パターンから系統解析を行った結果、嫌気環境下での金属代謝能を有するGeobacter属や、動物の腸管や植物の根圏土壌から単離例が報告されているEnterobacter属に近縁であることがわかった。これらは、これまで低温での生育について報告例のない新規微生物種であった。 2.還元的金属代謝能を有することが知られているShewanella属細菌(S.livingstonensis Ac10)を用いて、金属還元性細菌の嫌気培養系を構築した。好気的に前培養したS.livingstonensis Ac10を電子受容体としてフマル酸を含む合成培地で一晩培養することで嫌気環境下に順化させた後、三価鉄(クエン酸鉄)を電子受容体として含む合成培地に植菌した結果、速やかに二価鉄に還元されるとともに、増殖することがわかった。嫌気環境下に順化した菌体は、六価クロムも速やかに還元し、菌体内に不溶化したクロムが蓄積することがわかった。
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