2009 Fiscal Year Annual Research Report
エイズ高度汚染地域における病原真菌・放線菌の採集・調査とその資源化
Project/Area Number |
21406003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
五ノ井 透 Chiba University, 真菌医学研究センター, 教授 (30134365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢口 貴志 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (60361440)
松尾 高稔 千葉大学, 真菌医学研究センター, 研究機関研究員 (00500737)
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Keywords | ノカルジア / カンジダ / クリプトコッカス / エイズ患者 / 感染症 / 真菌 / 放線菌 / 分子系統学 |
Research Abstract |
タイ国立感染症研究所と共同して、タイ国内のエイズ患者など易感染性患者の病巣から採取された放線菌40種余りについて分子系統学的、形態学的、生理生化学的解析を行った。結果、多くの新種のストレプトマイセス属放線菌が、2次感染の原因菌をなっていることが明らかになった。この内特に既存の菌種との系統学上の差異が大きいもの1種について、新種としての提案を行った。 ブラジル国のエイズ患者や家畜・ペットから単離された放線菌約90種について、分子系統学的、生理生化学的解析を行った。多くはノカルジア属に近縁の放線菌であったが、ストレプトマイセス属菌、バチルス属菌、その他の属の菌と近縁である菌も単離された。新種と思われる菌株については、現在、さらに共同研究により解析を進めている。 インドネシア大学医学部・微生物学講座と究力して、同大学病院を訪れるエイズ患者より単離したカンジダ菌について分子系統学的解析を行った。結果は、22年度にジャカルタ市で開催される国際真菌感染症フォーラムで発表の予定である。また、同大寄生虫学講座の連携により、同国エイズ患者のクリップトコッカス症原因菌についての研究協力関係を確立した。 南アフリカ・ヨハネスブルグのウイッツワーター大学遺伝学部と協力し、北米の乳牛に広範な薬剤(アミカシン)耐性感染症(乳房炎)を起こし、社会的な問題となったノカルジア・ファルシニカ(エイズ患者にとっても大変に危険な病原因子である)の耐性獲得機構について解析し、論文として報告した。
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