2010 Fiscal Year Annual Research Report
エイズ高度汚染地域における病原真菌・放線菌の採集・調査とその資源化
Project/Area Number |
21406003
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
五ノ井 透 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (30134365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢口 貴志 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (60361440)
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Keywords | 病原真菌 / 病原放線菌 / ノカルジア / カンジダ / ストレプトマイセス / 薬剤耐性菌 / アスペルギルス / エイズ患者 |
Research Abstract |
ブラジル・サンパウロ州のヒト、家畜、ペットの感染症原因菌と考えられた放線菌を本年度はさらに60株を輸入し、生理生化学的性状やリボゾーマルRNAの遺伝子配列の解析を行って、特殊な病態について報告し、また疫学的な結果についてまとめた(投稿準備中)。これらの輸入菌株について、今後、放線菌資源として利用するためのデータベース作成など準備を進めている。さらに、日本国内のヒト放線菌症患者からもノカルジア菌等を中心に収集・解析を進め、データ・ベースを構築し、本センターのホームページでの公開準備を進めている。 インドネシア・ジャカルタ市のインドネシア大学医学部から千葉大学大学院(真菌医学研究センター)に留学中の学生およびインドネシア大学の教員2名と共同で、主にインドネシアの大学病院を訪れたエイズ等に起因する免疫不全患者が発症したカンジダ症について、菌型に関する分子疫学的な調査を行った。結果は、第9回国際菌学会(英国エジンバラ市)等で発表した。 カンジダ等ヒトに病原性を持つ菌種多数種を含む酵母40種あまりの細胞表面糖鎖について、植物由来の糖鎖結タンパク(レクチン)をスライド・ガラスに貼りつけたレクチン・アレイを用いて菌の属や種による違い、種間の違いについて体系的な解析を行い、病原性と糖鎖の関連などについて考察した。結果は米国糖質学会(フロリダ)で発表し、投稿準備中である。 ダンゴ虫腸管中に抗菌活性物質を産生する新規の放線菌(ストレプトマイセス属菌)を発見し、新種として報告し、新規化合物の単離を試みた(発表済)。 南アフリカ・ヨハネスブルグ市のウィッツワータースランド大学遺伝学教室より、ダボス博士と柴山研究員を招き、病原放線菌に関する今後の共同研究について討議し計画を立てた。
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Research Products
(20 results)