2009 Fiscal Year Annual Research Report
サステイナブル伝統薬を志向した薬用資源植物の多様性の解析
Project/Area Number |
21406004
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小松 かつ子 University of Toyama, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (50225570)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 謙 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (60418689)
東田 千尋 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教 (10272931)
柴原 直利 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (10272907)
|
Keywords | 薬用植物 / 分子系統学 / 品質評価 / 認知症 / 生活習慣病 / 芍薬 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
1. 学術調査 中国の重慶、湖南、湖北、安徽、江蘇、浙江省でAcorus属、Codonopsis属、Rheum属、Paeonia属、Acanthopanax属植物の資源調査を行い、144点の植物と80点の生薬を収集した。 2. 遺伝的・成分化学的多様性 (1) 芍薬:Paeonia属3種、P.lactifloraの薬用または園芸品種、日本産芍薬、中国産の白芍と赤芍の核ITS領域の解析から、P.lactifloraにおける系統間の交配が示唆された。同種は分子系統樹で2大別され、同種由来の白芍と赤芍は異なるサブクレードに属した。8成分の定量結果から、P.veitchii由来の赤芍はPaeoniflorin、Pentagalloylglucose、Gallic acidの含量が高く、P.lactiflora由来の赤芍ではPaeoniflorin、Catechinが白芍より高含量で、Paeonolが検出された。日本産芍薬は遺伝的・成分的に白芍と近縁であった。また、園芸品種の解析結果から、薬用の白芍または赤芍として使用可能な品種を見出した。 (2) 石菖蒲:32箇所で採集したAcorus属植物及び生薬のITS領域の塩基配列の比較及び分子系統樹から、Acorus属3種に固有な配列及び産地による遺伝子型の違いを明らかにした。 3. 抗認知症作用 (1) 石菖蒲:Amyloid-βを処置して神経突起の萎縮を誘発させたラット大脳皮質神経細胞に、メタノールエキスの分配画分を同時処置した結果、エーテル、酢酸エチル及び水可溶画分に神経突起伸展作用が認められた。また、β-asarone、α-asarone及び水画分から単離した4化合物をAβと同時または後から処置した結果、2化合物が濃度依存的に神経突起伸展作用を示した。 (2) 五加皮類:Calpain酵素活性に対する直接的な阻害作用をcell-free系のアッセイにより検討した結果、紅毛五加皮メタノールエキスは0.1mg/mlで比較的強いcalpain抑制活性を示した。 4. 生活習慣病改善作用 STZ誘発糖尿病モデルラットを用いた実験で、芍薬及び牡丹皮の水エキスは、血小板活性化抑制作用を示さなかった。
|
Research Products
(4 results)