2010 Fiscal Year Annual Research Report
サステイナブル伝統薬を志向した薬用資源植物の多様性の解析
Project/Area Number |
21406004
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小松 かつ子 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (50225570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 謙 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (60418689)
東田 千尋 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (10272931)
柴原 直利 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (10272907)
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Keywords | 薬用植物 / 分子系統学 / 品質評価 / 認知症 / 生活習慣病 / 刺五加 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
1.学術調査 インドネシアのジャワ島中部とマドゥラ島でCurcuma属植物、中国の湖北省と甘粛省でCodonopsis属植物の栽培状況を調査し、同時に関連生薬を収集した。 2.遺伝的・成分化学的多様性 (1)芍薬:Paeonia lactifloraの園芸用30品種について、品種及び栽培年数の違いによる8成分の含量の差異調べた。栽培年数による変動は大きいものの、paeoniflorin及びpentagalloylglucoseを一定量以上含む品種を、核ITS領域の解析結果と合わせ、白芍系、赤芍系について選択した。 (2)石菖蒲:Acorus tatarinowii とA.gramineusはITS領域の塩基配列において種内多型を示したが、分子系統樹において明らかに区別され、さらにA.tatarinowiiは2大別された。それらは産地(安徽・浙江省と重慶市)と関連した。 (3)五加皮:Acanthopanax gracilistylusのITS領域における種内多型と固有な塩基配列を明らかにした。 (4)麻黄:Ephedra属植物において、葉緑体trnK遺伝子と核18SrRNA遺伝子の塩基配列は種の同定に、ITS領域め配列は種間交雑の判定に有用であることを示し、モンゴル国における8種各遺伝子型の分布と交雑の状況を明らかにした。 (5)党参:Codonopsis属2種1変種のITS領域における種内多型と分類に重要な塩基配列を明らかにした。 3.抗認知症作用 Amyloid-β(25-35)処置により萎縮したラット大脳皮質神経細胞において神経突起伸展作用を示した石菖蒲の成分のうち、1化合物の構造を推定した。また、刺五加のAβ(25-35)誘発神経突起萎縮抑制作用成分として、Eleutheroside B、Eleutheroside E、isfraxidin及びisofraaxidin7-O-glucosideを同定した。 4.生活習慣病改善作用 ジペプチジルペプチダーゼー4阻害を介した抗糖尿病作用を黄連解毒湯、温清飲等に見出したが、菊薬の関与は低いと考えられた。牡丹皮を配合する八味地黄丸と六味丸に耐糖性発現抑制効果を見出した。
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