2009 Fiscal Year Annual Research Report
テニア科条虫幼虫感染家畜個体の識別に有用な新しい技術開発とリスク評価への応用
Project/Area Number |
21406009
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡本 宗裕 Tottori University, 農学部, 准教授 (70177096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 亮 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70054020)
迫 康仁 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40312459)
|
Keywords | 嚢虫症 / テニア症 / 中間宿主 / 家畜 / 個体識別 / 分子疫学調査 / リスク評価 |
Research Abstract |
ヒトを終宿主とするテニア科条虫には、有鉤条虫、無鉤条虫、タイワンテニアの3種が知られでいる。研究代表者らのグループは、長年にわたりこれらのテニア科条虫ついての研究を実施してきており、地理的分布、遺伝的変異、遺伝子診断法、ヒトの免疫診断法等様々な成果を明らかにしてきた。しかし、それらの中間宿主である家畜での疫学調査については研究代表者らのグループを含めほとんど実施されていなかつた。そこで、研究代表者の岡本は基盤研究(B)(海外学術調査)の助成を受け、平成18~20年度にかけて、家畜における分子疫学調査と家畜のリスク評価の研究を実施した。本研究課題は、それらの成果をさらに発展させるものである。 平成21年度は、中國四川省疫学研究所の研究員とともに、同省チベット高原の流行地で調査を実施した。4つの集落で調査を実施したところ、いずれの地域でもテニアの感染者が認められ同地域はヒトテニア症の濃厚汚染地域であることガ明らかとなった。特に、そのうちの1集落では人体有鉤嚢虫症の患者も多数確認でさた。形態的に無鉤条虫あるいはタイワンテニアと思われる条虫の人体寄生は全での集落で確認できた。これらの虫体について、ミトコンドリアDNAと核のDNAを用いた遺伝子診断を実施したところ、全て無鈎条虫であり、Hybrid型は確認できなかった。これらの虫体から虫卵を分離し、豚に感染させたが、幼虫の寄生は確認できなかった。上記寄生虫学的調査を平行して、フらンスよりGISの専門家を招聘し、調査地の地形、植生とテニア症・嚢虫症の流行との関連を検討した。
|
Research Products
(5 results)