2009 Fiscal Year Annual Research Report
タイと中国でのカンピロバクター属菌の流行状況と薬剤耐性及び我が国のそれらとの比較
Project/Area Number |
21406013
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山崎 伸二 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (70221653)
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Keywords | カンピロバクター / アルコバクター / 食肉 / タイ / 中国 |
Research Abstract |
データベースから得られた情報を基に、少なくとも人の胃腸炎の原因となる10菌種のカンピロバクター(Campylobacter)属細菌(C. jeijui, C. coli, C. fetus, C. hyo, C. lari, C. mucosalis, C. lanienae, C. upsaliensis, C. helveticus, C. concisus) を検出できる16Sr RNA遺伝子を標的としたPCRプライマーを設計した。このプライマーで当研究室に保有する少なくとも8菌種について特異的なPCR産物が得られた。タイの食肉37検体(牛肉11、豚肉13、鶏肉13検体)からカンピロバクター属菌の検出・分離を試みたところ、牛肉4検体からカンピロバクター属菌でなくArcobacter buztleriが、豚肉1検体からA. buztleriが、1検体からA. buztleriとA. cryaerophilusが、1検体からA. buztleri, C. coliとC. hyointestinalisが分離された。一方、鶏肉5検体からC. jejuniが、3検体からC. jejuniとA. buztleriが、1検体からC. jejuni, C. coliとA. buztleriが分離された。人検体については、下痢症患者164検体から2検体でC. jejuniが、1検体でA. buztleriが分離された。中国では、鶏肉4検体からA. buztleri4検体、C. jejuniが3検体、C. coliが3検体で、豚肉5検体からC. coliが2検体で、カモ肉3検体からA. buztleriが、2検体からC. jejuniが、2検体からC. coliが、牛肉3検体中、1検体からA. buztleriが分離された。人検体では5検体中1検体からC. jejuni, C. coliが分離された。我が国の鶏肉14検体中C. jejuniが8検体、C. coliが3検体、A. buztleriが2検体、豚肉10検体中C. jejuniが1検体、牛肉9検体は全て陰性であった。一方、下痢症患者便396検体中、C. jejuniが58検体でC. coliが4検体で分離された。以上の結果より、我が国とタイ、中国における食肉の汚染率や汚染菌の種類が異なることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
S.Yamasaki, 他7名
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Journal Title
Current Topics of Infectious Diseases in Japan and Asia-Molecular epidemiology of Vibrio cholerae and Camoylobacter isolated in Asian countries(Edited by K.Tanaka, Y.Niki and A.Kokaze)(Springer, Tokyo)
Pages: 25-43
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