2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際連携による臨床検査値の地域差探索と共有基準範囲の設定
Project/Area Number |
21406015
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
市原 清志 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10144495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 順三 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30448071)
清水 慶久 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80403674)
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Keywords | 基準範囲 / 標準化 / 海外学術調査 / 枝分かれ分散分析 / 地域差分析 / 臨床化学検査 / イムノアッセイ / クロスチェック |
Research Abstract |
多国間共同で基準値の調査研究を実施するにあたり、平成22年12月の国際臨床化学連合(IFCC)の基準範囲・判断値委員会(C-RIDL)において、健常人血清試料セット(パネル血清)を用いて、各国から得られた測定値の互換性を取ることの可否を、予備調査により確認することが決定した。そこで、平成23年3月に同パネル血清を80名の健常者の協力を得て研究代表者らが作成、同年4~5月に米国2施設、トルコ・日本各1施設の協力を得て、約53項目の主要臨床検査を対象にパネル血清の比較測定調査を実施した。その結果、Na,Cl,CAl9-9、遊離甲状腺ホルモンなどの一部項目を除き、検査の標準化の有無や測定装置や試薬に差違によらず、測定値に高い相関性が存在すること、およびその回帰直線の利用により各国からの測定値を自在に相互変換して比較できることを明らかにした。この成果を受け、平成23年5月・7月のC-RIDL会議において、世界規模の基準値調査(第4次調査)の実施が正式に承認され、同年9月には共通のプロトコールが完成した。そして、同年11月よりトルコ、米国、英国、日本、中国の参加で調査を開始した。また平成24年1月にはサウジアラビアの追加参加が決まり、総計5600名の調査へと発展した。これにより、初年度に東南アジア地域で3500例を対象に実施した3次調査のデータを、4次調査のそれと統合すれば、大規模な基準値のデータベースを構築できることになる。そのデータを分析することで、臨床検査値の地域差、性・年齢・肥満度・喫煙度・飲酒度等よる変動に関するエビデンスを明らかにし、それら変動要因を考慮した基準範囲の設定値と共に、その情報を広くWeb上で利用できるようにする計画である。
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Research Products
(2 results)