2009 Fiscal Year Annual Research Report
ブロモプロパンのヒト高次中枢神経系・血液毒性に関する分子疫学調査
Project/Area Number |
21406017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 学 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90252238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 健志 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50270989)
市原 佐保子 三重大学, 生命科学研究支援センター, 准教授 (20378326)
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Keywords | ブロモプロパン / 中枢神経 / 血液毒性 / 分子疫学 / 量反応関係 |
Research Abstract |
中国1BP曝露労働者について、その量依存的影響を再解析した。曝露濃度、期間が不明な曝露労働者を除いた60人の女性、26人の男性曝露労働者を対象にし、曝露群を中央値で均等数の2群にわけ、曝露濃度に対する回帰分析を各生体指標について行った。遠位潜時上昇、感覚神経伝導速度低下、POMS変化、第1趾振動覚低下、赤血球減少、AST、LDH、BUN、TSH上昇が女性で量依存的に見られ、肝臓、筋、心筋、腎臓への影響または溶血の可能性が示唆された。男性ではBUNの濃度依存的上昇が見られた。分散分析とダネットの多重比較より本研究は、LOAELが2.2ppmであることを示唆した。男性で影響が顕著でなかったことは、一部は検出パワー不足で説明できるかもしれないが、NTP発がん実験で雌動物感受性が高く、性差の存在についても調べる必要がある。 さらに、米国で1BPに高濃度に曝露されたと考えられる新しい症例で中枢神経MRIに異常を示した症例を見出した。本症例は1-ブロモプロパンを洗浄剤として用い、手を用いて金属部品を脱脂していた。頭部MRIにて側脳室周囲にT2高信号領域があった。脊髄MRIでは、第2頸椎領域にやや背側優位かつ中心優位のT2高信号病変があった。頭部MRIの病変は側脳室に近傍の白質に接するもので、神経線維に沿った楕円形状であった。本症例に関しては、多発性硬化症との鑑別をさらに進める必要があるが、同時に、1-ブロモプロパンが同症様の障害を引き起こす可能性も否定できないことから、さらなる症例の収集が必要である。
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Research Products
(26 results)
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[Presentation] Exposure assessment and evaluation of health status in workers handling titanium dioxide2009
Author(s)
Ichihara G, Li W, Fujitani Y, Ichihara S, DingX, Liu Y, Wang Q, Sai U, Hata N, Kobayashi T
Organizer
The 4th International Conference on Nanotechnology
Place of Presentation
Helsinki, Finland
Year and Date
20090829-29
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