2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔がん多発地域における発がん予知と予防のためのバイオマーカー開発および研究
Project/Area Number |
21406030
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
千葉 逸朗 Health Sciences University of Hokkaido, 歯学部, 教授 (50250460)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安彦 善裕 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 教授 (90260819)
角舘 直樹 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (20534449)
|
Keywords | 口腔がん / バイオマーカー / アジア / 予防 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スリ・ランカにおいて噛みタバコ(betel quid)によって誘発された口腔がんの発症を抑制するために、前がん病変(白板症、粘膜下繊維症)の段階でがん予防剤を用いて介入研究を行うことによって、口腔がんの化学予防を行なうことである。この目的のために、平成21年度は2度現地に赴き、紅茶園の経営者、現場責任者と会談を行い、本研究の趣旨、目的を説明し、プロジェクト遂行のための承認を文書にて得た。また、紅茶園のスタッフ、通訳らと打合せを行い、労働者や家族の人数、名前、性別、年齢、就業状況などのデータを送付するよう指示するなど、実務面での協力体制を確立した。また、現状のおおまかな状況を把握するため、現地での一部の労働者の口腔内を観察(前がん病変の有無、他の口腔疾患の有無等を把握)するとともに、生活習慣(喫煙、飲酒、噛みタバコの習慣等)について聴取した。その際には現地の保健医療関係者を交え、口腔内の診査法、病変の見方などもあわせて指導した。上記の基礎データを参考にして研究プロトコールを作成し、スリ・ランカ保健省倫理委員会に提出するための書類を作成した。介入研究を行うにあたっては、このような事前準備が重要なポイントであり、今後の研究の成否を握っている。一旦研究がスタートすれば、その後は定期的に訪問することによって、プロトコールに沿ってインタビューを行うとともに、サンプルを採取し、分子疫学的解析に供与することとなる。
|