2009 Fiscal Year Annual Research Report
グラフの類似性に着目したパラメータ化グラフアルゴリズム
Project/Area Number |
21500007
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
武永 康彦 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (20236491)
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / 計算量 / パラメータ化計算量 |
Research Abstract |
本年度は主にパラメータ化グラフ上の問題に対するfixed-parameterアルゴリズムの設計手法について研究を行なった。これらの手法は、特定のグラフ族と特定の問題に対するアルゴリズムを個別に扱うのではなく、種々の問題を扱うことのできる手法として、アルゴリズム設計に有効であると考えられる。F+k_1e-k_2eグラフとは、Fグラフに高々k_1本の辺を追加し、k_2本の辺を除去して得られるグラフである。このようなグラフ上の問題に対し、パラメータk_1,k_2に対してfixed-parameter tractableとなるアルゴリズムの設計手法を2種類提案した。これらの手法は、t値頂点問題と名づけた、グラフの各頂点にt種類の値のいずれかを与えることにより解を表現できる問題を対象とする。第一の手法では、Fグラフ上のある頂点集合Wに対しあらかじめ値が与えられた場合に、ある問題がWのサイズに対してfixed-parameter tractableであるとき、F+k_1e-k_2eグラフ上の同じ問題がfixed-parameter tractableとなることを示した。第二の手法では、付加した辺、除去した辺を元に戻す操作を考え、これらの操作について閉じており、かつ問題を多項式時間で解くことのできるグラフ族Fに対しては、F+k_1e-k_2eグラフ上の問題がfixed-parameter tractableとなることを示した。また、これらの手法の適用例として、最大クリーク問題、頂点被覆問題に対するアルゴリズムを提案した。
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