2010 Fiscal Year Annual Research Report
グラフの類似性に着目したパラメータ化グラフアルゴリズム
Project/Area Number |
21500007
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
武永 康彦 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (20236491)
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / 計算量 |
Research Abstract |
本年度は、パラメータ化グラフ上の頂点彩色問題と関連の深い、一部の頂点に対してあらかじめ彩色が与えられた場合の頂点彩色問題であるprecoloring extension問題について研究を行い、また、いくつかのパラメータ化グラフにおける基本的問題のアルゴリズムについて研究を行った。Precoloring extension問題については、正方格子状のグラフの部分グラフであるグリッドグラフについて研究を行なった。グリッドグラフは最大次数が4となるため、彩色数が5以上の場合は必ず彩色可能であることが明らかである。我々は、彩色数が4の場合について、彩色可能か否かを判定し、彩色可能な場合にはその彩色を与える多項式時間アルゴリズムを示した。また、彩色数が3の場合にはこの問題がNP完全となることを証明した。precoloring extension問題とパラメータ化グラフ上の頂点彩色問題の関連について、Fグラフに辺の追加・削除を行って得られるパラメータ化グラフにおいて、それらの辺の端点をあらかじめ彩色の与えられた頂点に対応させることにより、Fグララのprecoloring extension問題が多項式時間で解ければパラメータ化グラフの頂点彩色問題がfixed parameter tractableとなる関係を持つことを示した。パラメータ化グラフ上のアルゴリズムに関しては、二部グラフに辺の追加を行なったグラフおよび、弦グラフに辺の追加と削除を行なったパラメータ化グラフ上での最大独立点集合問題がfixed parameter tractableとなることを示した。
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