2009 Fiscal Year Annual Research Report
超低機能自律移動端末で構成された自己安定分散システムの可解性に関する研究
Project/Area Number |
21500012
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
片山 喜章 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (10263435)
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Keywords | 自律分散システム / 自己安定 / 分散アルゴリズム / 移動端末 / 可解性 |
Research Abstract |
本年度の研究は,超低機能端末群による分散システムとして自律移動ロボット分散システムに注目しつつ,自己安定システムの持つ本質的問題を明らかにするために分散ネットワーク上での自己安定アルゴリズムについての研究を行った. 自律分散移動ロボットに関しては,ロボットの持つ能力と問題の可解性を明らかにすべく,観測に誤差のあるロボットをモデル化し,そのモデルでの一点収束問題について結果を得た.既存の誤差ありモデルに対して,より現実的な(仮定を強めた)モデルを用いることで,一点収束が可能となる誤差の範囲が劇的に拡大することが分かった.さらに,観測誤差と移動誤差および計算誤差との等価性についても,ある予想が得られたため,今後の研究課題として検証を行う予定である. 一方,自己安定アルゴリズムについては,高度な故障耐性を実現するためのフレームワークである故障封じ込めについて,複数の自己安定アルゴリズムの公平な合成によっても故障封じ込めの性質を保存するための手法を提案し,発表した.生来,長期にわたって分散システムを安定的に運用することが可能な自己安定アルゴリズムの故障耐性をさらに高性能にするために重要な技術である.
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