2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 大雄 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (50283487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 一雄 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50131272)
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Keywords | グラフ / ネットワーク / アルゴリズム / 定数時間 / 乱択 / ユニットディスクグラフ / FPT / 計算複雑さ |
Research Abstract |
まずグラフの次数制限モデル上の準線形時間アルゴリズムについて研究をし、以下の成果を得た。与えられたグラフが外平面グラフであるか否かを検査するO(ε^(-13)^(-6)+dε^(-2))時間のアルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは与えられたグラフが外平面性を持つならば確率2/3以上で受理し、外平面性より遠ければ(ε遠隔ならば)確率2/3で拒否するという確率的アルゴリズムである(従って、その遠さを示すパラメータ0<ε〓1が計算時間に入る)。重要な点は、この計算時間はグラフのサイズとは無関係だという点である。すなわち、いかに巨大なグラフが与えられても常に同じ計算時間で結果を出すという定数時間アルゴリズムであり、ウェブグラフなど巨大なグラフに対して有効である。さらにこのアルゴリズムを修正することで、グラフが(外平面グラフの部分クラスである)カクタスであるか否かの検査も同じ計算時間で可能である。この結果はRANDOM2010に採録された。他には、ユニットディスクグラフの描画範囲を面積αの正方領域に収まっている場合、αをパラメータとしたパラメータ化計算量についても研究し、ハミルトン閉路問題とk彩色問題がFPT(つまりパラメータが小さいときには簡単に解ける問題)であり、最大独立集合問題と最小支配集合問題とがW[1]困難であることを示した。なお、これらの問題はパラメータαを与えなければ、ユニットディスクに限定してもNP困難であることが分かっている。この結果は、アドホックネットワークなどの比較的狭い領域に限定した無線ネットワーク上では、ハミルトン閉路問題やk彩色問題などは解きやすいということを意味している。
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