2010 Fiscal Year Annual Research Report
将来の計算機構としての可逆コンピューティングとその体系化
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21500015
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森田 憲一 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00093469)
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Keywords | 可逆計算機構 / 可逆セルオートマトン / 可逆論理素子 / 可逆論理回路 / 可逆チューリング機械 / 可逆マルチヘッドオートマトン |
Research Abstract |
物理的可逆性は、原子や分子レベルの物理現象を直接利用して高集積度の計算機デバイスを作ろうとしたときに鍵となる物理法則で、これを反映した計算パラダイムが可逆コンピューティングである。本年度は、昨年度に続き記憶つき可逆論理素子の万能性を明らかにすると共に、可逆的な物理モデルによる実現可能性を研究した。また、新しい決算モデルとして可逆マルチヘッドオートマトンを提案・研究した。 1.2状態可逆論理素子の万能性 非縮退の2状態k記号可逆論理素子は、k>2の場合、どれも例外なく計算万能性を有することを証明した。 2.記憶つき可逆論理素子の可逆的な物理モデルによる実現 記号数が4以下の記憶つき可逆論理素子は、状態数がいくつであっても、可逆的な物理モデルの中で簡潔かつ体系的に構成できることを示した。 3.可逆マルチヘッドオートマトンの計算能力 当該の計算モデルを新しく提案・研究し、単純であるにも関わらず高い計算能力を持つことを示した。 4.可逆コンピューティングの理論の体系化 可逆コンピューティングの代表的モデルである可逆チューリング機械、可逆セルオートマトンを中心とするこれまでの成果を体系化してとりまとめ、雑誌論文、図書、国際会議で発表した。
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