2009 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークの耐故障性に関するグラフ構造的性質の解明と改善アルゴリズムの設計
Project/Area Number |
21500017
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蓮沼 徹 The University of Tokushima, 大学院・ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 准教授 (30313406)
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Keywords | グラフ / ネットワーク / アルゴリズム / 耐故障性 |
Research Abstract |
●完全独立全域木はネットワークの耐故障性を考慮した通信問題に応用をもつことが知られている.本研究では,2次元トーラスネットワークに2本の完全独立全域木が存在することを構成的に証明した.さらにこの結果をグラフのデカルト積の観点かち一般化することを試み,単サイクルグラフとサイクルのデカルト積における2本の完全独立全域木の存在,任意の2連結グラフのデカルト積における2本の完全独立全域木の存在をそれぞれ構成的に証明することができた.今後は次元が3以上の高次元のトーラスネットワークにおける3本以上の完全独立全域木の存在性および構成法について考察を進める予定である. ●完全独立全域木は,互いに共通要素をもたない複数の連結支配集合と見做すことができ,連結支配集合という概念と関連している.連結支配集合は耐故障性を考慮したネットワーク上の資源配置問題や無線通信ネットワークめバックボーンに応用をもつことが知られている.連結支配集合をより一般化したものとしてダイグラフにおける連結k-組双支配集合という概念があり,これまでにde Bruijnダイグラフ,Kautzダイグラフに関して調べられていた.de Bruijnダイグラフ,Kautzダイグラフは反復ラインダイグラフの特殊なクラスである.本研究では,反復ラインダイグラフにおける高連結k-組双支配集合の最小濃度を決定し,既知のde Bruijn及びKautzダイグラフの結果を一般化することができた. ●L(2, 1)-ラベリングでは,外平面グラフの部分クラスである木に関して,これまでに知られていたL(2, 1)-ラベリングナンバーを求めるアルゴリズムの時間計算量をさらに改善し,線形時間で求めることができることを示した.
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Research Products
(6 results)