Research Abstract |
・完全独立全域木はネットワークの耐故障性を考慮した通信問題に応用をもつことが知られており,前年度に任意の2運結グラフのデカル積における2本の完全独立全域木の存在を構成的に証明した。本年度は,あるグラフGにk本の完全独立全域木が存在するとき,どのようなグラフと直積をと,その直積グラフにk+1本の完全独立全域木を構成できるかについて考察した.そしで,自由頂点という定義を導入し,自由頂点に関するある条件を満たすならば,あるcirculant graphとの直積をとることにより,k+1本の完全独立全域木を構成できることが分かった.特にこの結果から,5次元以上の3進超立方体における3本の完全独立全域木が存在性が系として得られる ・辺素なラベル増加パスは耐故障性を考慮したgossiping問題に応用をもつことが知られている.本年度は,Haddad,Rovy,and Schafferの辺素なラベル増加パスの構成法をより精密に解析することにより,彼らの上界結果(頂点数が2のべき乗のとき及び一般の場合の両方)を改善することができた.また,recursive circulantと呼ばれるグラフに類似したグラフの構造的性質を調べることにより,Hou and Shigenoの上界結果も改善することができた.さらに,Berman and Paulの情報散布数の結果を利用することにより,Hou and Shigenoの下界を頂点数nが5以上のときに,Beman and Paulの下界をk(故障回数の上限)がn/2よりも大きいときに,それぞれ改善する下界を示すことができた. ・L(p,q)-ラベリングは周波数割り当て問題に応用をもっており,(p,q)-全ラベリングはL(p,q)-ラベリングに類似した概念である.本研究では,最大次数Δが3と4のときも外平面グラフの(2,1)-全ラベリングナンバーが高々Δ+2であることを示した.また,木の(p,q)-全ラベリングナンバーのタイトな上下界を与えた.
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