2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模に収集された開発データからのプロジェクト管理のための知見の導出
Project/Area Number |
21500035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
菊野 亨 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50093745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 修 京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 准教授 (60314407)
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Keywords | プロジェクト管理 / ベイズ識別器 / メトリクス |
Research Abstract |
従来研究では、ベイズ識別器を利用してプロジェクトが失敗する(フィールドバグが多く発生する)ことの予測が開発後期(例えば出荷直前)になれば可能であった。ところが、これでは予測のタイミングが遅過ぎて、仮に予測できても、もはや手の打ち様がない。更に、多くのチェック項目についてのデータを要するため、そのオーバヘッドが実用化への大きな障壁になる。 本研究では、人間ドックに似たプロジェクト管理方式の開発を目指す。具体的には、少ないチェック項目についての監視を早い時期から定期的に繰り返して実行する。危ういと予測された時だけ精密検査(多くのチェック項目のデータ収集)を行う。そのための研究課題として、チェック項目の総数を削減することになるが、それだけでなくチェック項目もプロジェクトの早い時期に判定可能なものへ制限することが必要になる。 本年度は、ベイズ識別器による予測を前提として、定期的な監視の対象とするチェック項目(メトリクス)の候補の決定を行った。具体的には、独立行政法人情報処理推進機構のソフトウエア・エンジニアリング・センターから提供を受けたプロジェクトデータへの適用実験を行って、候補メトリクスを求めることに成功している。 その検討の中で、使用するチェック項目の数と予測精度の間にトレードオフの関係が存在することを発見した。更に、メトリクス以外に、通常の見積もりに含まれるプロジェクトデータを利用すると予測精度の向上が見込まれることも明らかになった。なおメトリクスに対してはプロジェクト中にプロセスあるいはプロダクトデータが計測されるが、プロジェクトデータは見積もり時に一度算出されるだけである。
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Research Products
(3 results)