2009 Fiscal Year Annual Research Report
異種マルチコアプロセッサの効率的な実行を実現するタスク内記憶領域管理機構
Project/Area Number |
21500039
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
小出 洋 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (90333517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光来 健一 九州工業大学, 大学院・情報工学研究院, 准教授 (60372463)
|
Keywords | マルチコアプロセッサ / 記憶領域管理 / SIMD並列化 / タスクスケジューリング / 並列分散処理 / PCクラスタ / 異機種並列計算機 / スクラッチパッドメモリ |
Research Abstract |
本研究の目的は,ヘテロジニアスマルチコアシステムにおけるタスク内記憶領域を研究し,その潜在的な性能を引き出し,実際的な応用プログラムで評価することである.タスク内記憶領域管理機構は,ひとつの粗粒度タスク(ループやサブルーチンなどのある程度まとまった処理単位)において各プロセッサコアにあるローカルメモリと主記憶とのデータ交換を自動的に行う.ひとつの粗粒度タスク内で主記憶とスクラッチパッドメモリのデータ交換を自動化する「タスク内記憶領域管理手法」を提案して評価する.これにより,資源割当やスケジューリングを行い易くし,利用者に特殊なプログラミングスタイルを要求しなくても実際のアプリケーションの実行効率を良くすることを目標とする.タスク内記憶領域管理機構を実装して評価するため,今年度は既存のタスクスケジューリングシステムを拡張して,ヘテロジニアスマルチコアを持つマルチメディア計算機およびPCを含む異機種並列計算機クラスタ上でタスク実行や資源割当てができるようにした.大規模応用プログラムとしてLSIのテスト計算を選定した,その内部構造を調査した上で,もっとも計算時間を要する部分であった論理演算を行う部分に関してSIMD並列化を行った.また,タスク内記憶領域におけるアクセスヒント,ソフトウェア・キャッシュ,プレロード機能等の拡張を行い,実装して評価を行った.さらに実際的で大規模な計算を行うLSIのテスト計算コードからヘテロジニアスマルチコアプロセッサシステム向けのプログラムを設計した.
|