2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速・高信頼・高可用かつ低消費電力型の汎用自律分散処理システムの実現
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21500041
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
甲斐 宗徳 成蹊大学, 理工学部, 教授 (40194659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗林 伸一 成蹊大学, 理工学部, 教授 (30384655)
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Keywords | モバイルエージェント / 強マイグレーション / 自律型分散処理 / ヘテロジニアスグリッド環境 / 自動負荷分散 / ネットワーククオリティ制御 / 低消費電力型システム |
Research Abstract |
1.強マイグレーションに基づくモバイルエージェントの実現(主に研究代表者が担当) JavaVMが動作する複数のPCがネットワーク接続されたヘテロジニアスな処理環境では、あるクラスのインスタンスをPC間で移動可能にすることで様々なメリットが考えられる。本年度は、従来、参照型のローカル変数を使用したプログラムについてJPDAを利用してスタックフレームの取得を行っていたためオーバヘッドが大きかった方式の問題点を改良し、スタックフレーム内の変数を独自に保存・復元する新たなコード変換方式を構築した。 2.マルチグリッド環境の構築(主に研究分担者が担当) 計算資源やネットワーク資源などの資源種別だけでなく、ネットワーク資源であれば遅延時間やパケット廃棄率などの'資源属性'も新たに考慮し、複数のロケーションに設置された資源の中から最適な資源をモバイルエージェントに割当てる方式を明らかにした。また、提案方式はセキュリティレベルを意識したモバイルエージェントへの資源割当てにも適用できることを明らかにした。 3.強マイグレーションモバイルエージェントに基づく自律分散処理システムプラットフォームの実現(研究代表者と研究分担者が担当) (1)並列分散処理における負荷分散や通信オーバヘッドの削減を考慮した、全体的な処理時間を短縮する最適化問題を解くためのアルゴリズムの構築を行い、実装評価した (2)モバイルエージェントの広域マイグレーション時の性能劣化防止策として、マイグレーション時にWAN高速化機能をネットワーク内で自動的に適用する方式を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
汎用自律分散処理に必要と考える強マイグレーションモバイルエージェントの実現については、本質的な強マイグレーション動作が順調に実現されている。またこのモバイルエージェントシステムが動作するマルチグリッド環境における最適資源の割当方式についても明らかになってきている。さらに、これらをベースにした自律分散処理システムプラットフォームの構築についてもほぼ予定通りに進めることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
汎用自律分散処理システムの実現にあたってベースとなるモバイルエージェントシステムは、これまでに個々のモバイルエージェントの強マイグレーション動作のしくみを実現することができた。汎用の自律分散処理に向けては、一緒に活動しているモバイルエージェント群が、ユーザにとって高速性および高信頼性をもって協調動作し、高可用性を低消費電力で示す必要がある。このためのモバイルエージェント群の動作に関する最終的なチューニングを次年度で行っていく。
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