2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロプロセス検出によるシステムの複雑さの増加を防止するソフトウェア開発環境
Project/Area Number |
21500045
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
花川 典子 阪南大学, 経営情報学部, 教授 (60351673)
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Keywords | プロセス / 複雑さ / メトリクス / プロダクト品質 / PCPQモデル / マイクロプロセス / プロセスフラグメント / 可視化ツール |
Research Abstract |
ソースコードの複雑さの増加を防止するマイクロプロセスの検出が本研究の目的である.本年度は大規模プロジェクトでのプロセスとプロダクトの関係を明確にすることを目指した.つまり,プロセスの複雑さという新しいメトリクスを提案し,そのメトリクスで計測できたプロセスの複雑さの変化とプロダクトの品質の変化をモデル式(PCPQモデル)で明確にした.まず,プロセスの複雑さを工程管理表から導く手順を示し,工程管理表の中からプロセスフラグメントという新しい概念のプロセスを特定する.プロセスフラグメントとは当初の計画には存在せずに,顧客の急な要望や前リリースプロダクトのバグ修正などで急きょ発生する比較的小さなプロセスのことである.プロセスフラグメントが多く,かつ,同時実行される場合プロセスの複雑さは大きくなるというメトリクスである.プロセスフラグメントを用いてプロセスの複雑さの変化を計測した.さらに,プロセスの複雑さの値とプロダクトのリリース後のバグ発生件数の関係のPCPQ (Process Complexity-Product Quality)モデルを構築した.このモデルは,同一組織内での将来のプロジェクトでの最終プロダクト品質をプロジェクト実施途中で予測できる.同一組織内の7プロジェクトで検証した結果,プロジェクト実施途中の工程管理表から抽出したプロセスの複雑さの値により,リリース後のバグ発生件数の予測が可能であることがわかった.今後はPCPQモデルをさらなるプロジェクトで検証すると同時に,ソースコードの複雑さの増加を防止するマイクロプロセス検出ツールへ組み込み,ソースコードの複雑さとマイクロプロセスの複雑さの関係を明確にする予定である.
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Research Products
(6 results)