2010 Fiscal Year Annual Research Report
GPUクラスタ上での高速並列計算およびリアルタイム分散可視化
Project/Area Number |
21500052
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安藤 英俊 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50221742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 孝司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (50313789)
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Keywords | GPU / 数値シミュレーション / 分散可視化 |
Research Abstract |
平成22年度は21年度の成果を元に数値シミュレーション手法の高度化とリアルタイム可視化の分散化への対応を中心に,研究開発を推進した.数値シミュレーション手法のうち多相流体計算に必要な保存性の高い界面獲得スキームとしてMARS法, THINC/WLIC法をNvidia社の新しいFermiアーキテクチャGPU上にCUDAを用いて実装した.数値実験の結果どちらの手法も十分に精度良く計算可能であることが確認されたが,3次元における実装の容易さからTHINC/WLIC法がGPUに向いているという結論を得た.さらに精度と安定性で定評のあるVSIAM3を世界で初めてGPU上に実装することに成功した.現時点でVSIAM3はCPUクラスタ環境ですら並列化の報告がないため,GPU上での並列化は画期的である.VSIAM3とTHINC/WLICおよびCIP-CSL3を組み合わせた多相流体計算スキームは,3次元ダムブレイク問題やRayleigh-Taylor不安定性問題に対しても単精度浮動小数点数を用いた場合ですら非常に高い体積保存性と計算安定性を示した.そしてさらにそれを複数GPU上で分散計算および可視化させることに成功した.リアルタイム可視化については3次元の等値面表示としてCUDAによるMarching Cube法を効率的に実装し,界面表示等に大いに役立てた.さらにGPU上でCUDAによりレイトレーシング法を実現し流体の界面における反射や屈折を扱えるようにしたため,科学的可視化のみならずGPU上での流体シミュレーション結果を写実的に表示する手法も実装した.GPU上でのレイトレーシングはシェーダによる科学的可視化と組み合わせることも可能なため,可視化の表現形式がさらに豊富になった.
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