2011 Fiscal Year Annual Research Report
GPUクラスタ上での高速並列計算およびリアルタイム分散可視化
Project/Area Number |
21500052
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安藤 英俊 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50221742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥山 孝司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (50313789)
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Keywords | GPU / 数値シミュレーション / 分散可視化 |
Research Abstract |
平成23年度は22年度の成果を元に,数値シミュレーション手法のさらなる発展と,分散可視化における画像データ転送の高速化,そしてノード内複数GPU上対応などの拡張を行った.数値シミュレーション手法としては昨年度実装したGPU上でのVSIAM3に基づく多相流体解析手法に液体の表面張力を考慮する計算を導入した.これにより高い保存性を有しながら物理的により忠実な計算が可能となった.また圧力ポアソン方程式の反復解法については前処理付きクリロフ部分空間法等による効率化を行った.Nvidia社自身がGPU上でのICCG法をライブラリとして提供し始めたのでこれも評価したが,我々の実装の方がより効率的で安定的に収束することが確認された.また圧力と速度の計算を同時に反復計算する手法についてもGPU上で効果的に実装した.さらに分散可視化の際にノードごとに作成した可視化画像をクラスタ内でギガビットネットワークを介して通信する際に,転送時間を短縮するために事前にGPU内で高速にウェーブレット変換に基づく画像圧縮を行なってから転送する手法を実装した.これにより画質の劣化を人目に感じさせない範囲で画像自体は数十分の1程度に圧縮し,転送時間を大幅に短縮することに成功した.また可視化手法についてはNvidia社のOptixライブラリを活用することで,昨年度実装した手法よりも高品位なレイトレーシングによる可視化をGPU上で高速に実行可能とした.またクラスタ間での通信を軽減するために同一ノード内に複数GPUを搭載してノード内の分散並列計算を実装した.これによりノード内での単一GPUを用いた場合よりも高速な計算が可能となり,また通信と計算の同時実行による通信の隠蔽も効率的に実装したため,今後のGPUクラスタの大規模化を想定した際のスケーラビリティの確保に成功した.
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