2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模データ処理のための高速仮想メモリシステムの研究
Project/Area Number |
21500062
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
緑川 博子 Seikei University, 理工学部, 助教 (00190687)
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Keywords | ハイパフォーマンスコンピューティング / クラスタ / 仮想メモリ / 分散処理 |
Research Abstract |
従来のTCPソケットと10GbpsEthernetを利用したDLM(分散大容量メモリシステム)に加えて,以下のシステムの設計・実装,評価をおこなった. *マルチクライアント向け・常駐型メモリサーバシステムDLM-Mの構築・評価 常駐デーモンとして複数のメモリサーバを立ち上げ,このサーバに複数のユーザプログラムが随時接続して利用できる環境を構築した.さらに同一クラスタ内(LAN)で,負荷や提供メモリサイズを考慮したメモリサーバ自動割付システムを設計・実装し,初期評価による有効性を確認した. *MPIバッチシステムクラスタにおける大規模データ逐次プログラム実行システム構築と評価 共同利用クラスタにおいて広く利用されるMPIバッチシステムにおいて,一般ユーザがクラスタをメモリ資源として利用し,大規模データ処理応用を容易に実行できるDLM利用環境を構築した.これに伴い,TCPソケット通信による従来のDLMに加え、MPI通信によるDLM実行方式を構築し,ページスワップにおける通信プロトコルも複数提案・実装して評価した。 *高速ネットワーク接続クラスタにおける各種応用ベンチマークの性能評価 MPIの高移植性を生かし,最大40Gbps(Myri10Gネットワーク4本のボンディング)のネットワーク性能で結ばれたクラスタ(東大T2K,HA8000)において,各種応用(バイオ関連cluster3.0,数値計算Himenoベンチマーク,NPBベンチマークなど)の遠隔メモリ利用時の性能評価を行った. *分散仮想大容量メモリシステムにおける効率的なメモリ管理方式の構築 動的メモリ割り当て・解放機能を効率的に提供する,遠隔メモリ利用のための効率的なメモリ管理方式の設計・実装し,大容量のメモリを必要とする応用処理において,動的割り当て(malloc)と解放(free)を利用する柔軟なプログラム環境を構築した.
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