Research Abstract |
* WAN接続の複数クラスタ群の中から,適切なクラスタと計算・メモリサーバを自動選択して実行するDLM-WANを設計,構築. 従来のDLM-Mに自動メモリサーバ選定機能を導入したDLM-LANでは,1クラスタ内のメモリサーバノード群の中から,メモリ利用状況やクライアントサービス負荷などを考慮して,適切なメモリサーバを自動選択するLAN管理プロセスを導入した. さらに,DLM-WANでは,WAN接続の複数のクラスタ群において,WAN管理プロセスを導入し,各クラスタのLAN管理プロセスから情報を収集する.WAN全体のクラスタの状況(計算負荷,メモリ利用状況)を考慮して,適切なクラスタと計算サーバ,メモリサーバを自動的に選択し,ユーザプログラムを実行するシステムを設計,構築した. また,利用者がどこからでも容易に大容量メモリを使うジョブを投入できるようなwebサーバとwebインターフェースを構築し,ポータルサイトを利用してユーザホストからプログラムやデータなどをDLMへ投入することを可能とした. 日本全国17か所以上の組織のクラスタを結ぶIntriggerシステムにおいて,DLM-WANの稼働実験を行い,他のユーザの計算負荷,メモリ使用状況を考慮して,自動的にクラスタの計算サーバ,メモリサーバを選定して実行できることを確認した. *遠隔メモリ利用可能な逐次CプログラムのためのDLMコンパイラの構築,新機能の導入 DLM用コンパイラは,既存のC逐次プログラムで,大容量メモリを使う変数(配列など)の前に,dlmという指定をユーザが行うだけで,ユーザには意識させずに,その変数を,ローカルメモリが不足する際に,遠隔メモリを利用して展開してくれるようにする. 従来の逐次プログラムでは,通常,大容量データは,スタックサイズの制限を回避するため,大域変数として定義することが多かった.DLMコンパイラでは,関数内部変数にもdlm宣言を行うことを可能する新機能を追加した.これにより関数内部だけで大容量データを用いることも可能とした.
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