2011 Fiscal Year Annual Research Report
情報ネットワークや分散システムにおけるゲーム理論的追究
Project/Area Number |
21500068
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
亀田 壽夫 筑波大学, 名誉教授 (10011660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 頡 筑波大学, システム情報系, 教授 (50251046)
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Keywords | 情報通信工学 / 計算機システム / ゲーム理論 / 独立分散管理 / ネットワーク |
Research Abstract |
近年、情報処理システムやネットワークは、ますます多くの独立したユーザが共用するようになってきている。つまり、ネットワークやシステムに、独立したエージェントが多数存在する。各ユーザがシステム内に共存し、(ゲーム理論における各プレーヤのように)資源を競い合う状況は、ゲーム理論的な観点から論じることができる。各ユーザが、独立に自己に関わるパケット/計算のみの処理コスト/応答時間を追究する状況を独立分散管理ということにする。独立分散管理はある種の公平さをもたらすが、全ユーザに性能劣化をもたらすことがあり得る。全ユーザに性能劣化をもたらさず独立分散管理による公平さを反映した資源割り当て法を、ゲーム理論に基づき追究するのが本研究の主な目的である。 平成23年度では、前年度に引き続き基礎的な追究にエネルギーを割くとともに、基礎的な研究に裏打ちされた実際的な検討をさらに進めた。準備的な研究として、一般的なネットワークの最適化問題について、理論的な枠組みについて実質的な結果を得た。あわせて、Internet等の情報ネットワークや、分散システム等の中で最近の事情を追究するとともに、より一般的なシステムについても検討した。ゲームの理論等の検討を背景にしながら、異常な振る舞いや非効率なシステム状態をさらに具体的に追究した。また、どのような場合にそのような問題が起こるかを追究した。また、ネットワークにおけるパラドックスの大きさの、対称性の影響について、前年度の追究をさらに深めた。 また、これらの検討結果に基づき、前年度に追究した、独立分散管理による、各ユーザ間の公平さを実現しながら、効率の良い、新しい管理方式の追究をさらに深めた。そのような方式の実現可能性について、具体的な検討を開始し、さらに、この方式を具体的なシステムにおいてどのように現実的に実現されるかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
準備的な研究はある程度進んできた。全ユーザに性能劣化をもたらさず独立分散管理による公平さを反映した資源割り当て法についても、ある種の定式化は得られた。しかし、それを現実化する段階になって、多くのシステムにわたる一般的な取り組み方は困難で、実際化できる具体的な枠組みを求めるのに、具体的な様々な状況を求める必要があり、その段階において、様々な困難に遭遇している。既に得られた定式化を見直し、新たな定式化を求める方向も追究する必要性もあり得る。
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Strategy for Future Research Activity |
準備的な研究は、いろいろと成果を得てきており、その方向も並行してさらに追究するのは、有益であると考えられる。 全ユーザに性能劣化をもたらさず独立分散管理による公平さを反映した資源割り当て法のある種の定式化を実際化できる具体的な枠組みを求めるのに、具体的な様々な状況を求める際の様々な困難を克服すべくさらに努力するとともに、既に得られた定式化を見直し、新たな定式化を求める方向も追究する。
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