2009 Fiscal Year Annual Research Report
ピア・ツー・ピア・グリッド用並列データ転送に関する研究
Project/Area Number |
21500083
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中里 秀則 Waseda University, 理工学術院, 教授 (30329156)
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Keywords | ネットワークコンピューティンゲ / 情報ネットワーク / ネットワーク・LAN |
Research Abstract |
今年度は、一つの課題として並列転送方式の検討を行った。現在一般に行われている並列転送では、標準的に4から5の並列度で転送が行われている。しかしながら、現在の広帯域化したネットワーク環境を仮定した場合、並列度を増やすことによって、スループットが向上する。そこで利用可能なネットワーク帯域と最適並列度の関係を求めるため、さまざまなネットワーク帯域とネットワーク構成による評価を行っているが、現在まだ継続して検討中である。 今年度、特に成果が挙がったのは、TCPの輻輳制御アルゴリズムに手を加えて、スループットを向上させるという課題についてである。複数TCPを並列で接続して高速転送をするGridFTPにおいては、その複数接続間で同期が発生し、スループットが上がらないという現象があった。これは、輻輳が発生すると複数あるTCP接続のすべてでパケット損失が発生し、複数のTCP接続で同時に輻輳ウィンドウの削減を実施するために起こる。これに対して、複数TCP接続の輻輳制御を相互に連携させ、輻輳ウィンドウの制御の同期を外す仕組みを組みを提案した。この仕組みを導入することによって、同時の輻輳ウィンドウ削減によるスループットの脈動を減らして安定したスループットを実現するとともに、スループット自体を向上させることに成功した。 追加課題として、並列転送とネットワークコーディングを併用することにより、スループットを向上させることについても、検討を始めた。ランダムリニアコーディングによって、特に特定の経路やスケジューリングをしなくても、スループットが向上することが報告されているが、この方法での最適な適用方法については検討がなされていないため、最適化について検討中である。
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Research Products
(1 results)